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公開日:2018.07.06

大規模タンパク質定量解析技術『iMPAQT』法の分析受託サービスを開始

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産学連携研究支援組織KPSLの設立と アカデミアシーズの早期実用化プロジェクト

 九州大学、株式会社LSIメディエンスおよび九州プロサーチ有限責任事業組合は、九州大学の中山 敬一教授の研究グループが開発した大規模タンパク質定量解析技術「iMPAQT法」(in vitro proteome-assisted MRM for Protein Absolute Quantification)の実用化に成功し、九州プロサーチにて同法を用いたヒト代謝酵素約340種の分析受託サービスを2018年6月1日(金)より正式に開始しましたのでお知らせいたします。

【背景と技術概要】
 多くの生命現象にかかわる複数のタンパク質を、同時にかつ正確に測定することができれば、病気のメカニズム解明や新しい診断法の開発につながる事が期待されます。しかしながら現在普及しているDDA法1)に代表される従来の解析法では、検出感度をはじめ定量精度や再現性が十分ではありませんでした。九州大学生体防御医学研究所の中山敬一教授の研究グループは、18000種にもおよぶヒト組換えタンパク質ライブラリーと、高感度な質量分析手法であるMRM法2)を組み合わせた次世代の定量プロテオミクス3)技術『iMPAQT法』を開発しました(A)。iMPAQT法では、従来MRM法の課題であった測定前の高感度ペプチドの選定、測定条件の最適化などの作業をあらかじめデータベース化する事で、数百種類におよぶタンパク質の絶対量を迅速かつ正確に測定することが可能となりました。既に本技術を使った研究例として、がん代謝を中心とした増殖メカニズムの一部解明に成功しており(A),(B)、他の疾患への応用も期待されています。

【産学連携での技術開発と実用化】
 九州大学とLSIメディエンスは、医学研究成果の早期実用化とその加速を目的として、2014年に組織対応型連携契約を締結し、産学連携研究支援組織として設立された「九州プロサーチ有限責任事業組合」とともに、3者で「iMPAQT法」の実用化を目指して共同研究を開始し、多検体処理能力の改善や高感度化等の技術ブラッシュアップを進めて参りました。九州プロサーチにおいては、安定した分析品質確保のための分析法バリデーションや、標準作業手順書の整備、さらには高度な技術力を持ったオペレーターの育成を進め、産学連携プロジェクトの成果として今般の受託サービス開始に至りました。

【今後の展望について】
 この度のiMPAQT法受託サービスは、まずはがん代謝研究領域からの受託を想定し、ヒト代謝酵素約340種パネルでの運用となりますが、今後事業の進展とともにパネルの拡充や、ヒト臨床検体および動物検体への応用を精力的に進めて参ります。本技術の普及によって高精度なプロテオミクス分析が手軽に供給され、生命科学基礎研究や創薬研究の更なる発展に資する事を期待しています。
「iMPAQT法」の事業化は、産学連携でのアカデミアシーズの実用化への第一歩であり、九州大学と九州プロサーチは、今後一層の連携を深めて地域医療および研究開発の活性化に貢献して参ります。

 本件の詳細につきましてはこちらをご参照ください。

 

 

お問い合わせ

生体防御医学研究所 中山 敬一 教授
電話:092-642-6815
FAX:092-642-6819
Mail:nakayak1★bioreg.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

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