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研究成果

公開日:2017.05.16

膵臓がん幹細胞の生存・転移に重要なしくみを攻撃する化合物の発見
-緑茶カテキンの研究から生まれた成果-

研究成果 農学

 九州大学大学院農学研究院の立花宏文主幹教授らの研究グループは、東京工業大学田中浩士准教授の研究グループと共同で、膵臓がん幹細胞の機能を阻害する化合物を発見しました。
 膵臓がんは、現在、最も治療の困難ながんの一つと言われており、その5年生存率はわずか5%程度と非常に低いのが現状です。近年、その原因としてがん幹細胞と呼ばれる細胞集団の機能が注目されていますが、がん幹細胞機能を阻害する有効な手法はいまだ確立されておりません。
 本研究グループは先行研究において、cGMPという分子が膵臓がんのがん幹細胞機能に重要な役割を担っていることを見出しました。
 そこで、がん細胞にcGMP産生を誘導する緑茶の主要成分EGCGと、cGMPを分解する酵素として知られるPDE3阻害剤を膵臓がん細胞に作用させたところ、がん幹細胞機能の指標であるスフェロイド形成能が抑制されました。
 また、膵臓がん移植マウスモデルにおいて腫瘍成長ならびに肝臓への転移が劇的に抑制されることを見出しました。
 さらに、EGCG誘導体の中からスフェロイド形成能阻害活性に基づくスクリーニングを行い、膵臓がん幹細胞機能を強力に阻害する化合物を発見しました。
 本研究により、緑茶カテキンEGCGの作用増強が膵臓がん幹細胞機能の阻害に有効である可能性が示されました。さらに、本研究で発見した化合物は、膵臓がんに対する新たな治療薬となることが期待されます。
  本研究成果は、2017年5月15日(月) 午前10時(英国夏時間)に国際学術雑誌の「Scientific Reports」にてオンライン掲載されました。

研究者からひとこと

緑茶カテキンの研究が膵臓がんの弱点をあぶり出すとは驚きでした。膵臓がん治療研究の一助となればと思っています。

研究に関するお問い合わせ先

農学研究院 立花宏文 主幹教授
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