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研究成果

公開日:2017.06.21

産声から探る巨大赤ちゃん星の成長

研究成果 理学

 九州大学大学院理学研究院の町田正博准教授らの研究グループは、国立天文台および山口大学との共同研究により、南米チリにあるALMA望遠鏡を用いて、オリオン大星雲に存在する「オリオンKL電波源I」という生まれたばかりの赤ちゃん星の観測を行い、大きな星の誕生と成長について解明しました。星は様々な質量を持ちますが、この星は赤ちゃんの段階で太陽の8倍以上の質量を持っており、将来大質量の星になることが分かります。このような大質量の星は宇宙の進化に大きな影響を及ぼすため大変重要なのですが、どのようにして誕生するのかは、よく分かっていませんでした。
 今回、ALMA望遠鏡を用いてこれまでにない精度で観測を行ったところ、星の周りにはガスの円盤が存在しており、その円盤の上下方向にガスが噴水のように噴き出していることが分かりました。さらにガスは回転しながららせん状に噴き出していることも分かりました。これらの事実から、このような大質量星も太陽のような小さな星と同じメカニズムで誕生することが分かります。また、吹き出しているガスの回転が検出されたことは大変重要で、観測から「磁気遠心力風」というメカニズムでガスが放出されることが分かりました。赤ちゃん星からのガスの放出現象は長年謎だったのですが、この研究によりその謎を解明することが出来ました。
 本研究成果は、平成29年6月13日(火)午前0時(日本時間)に英国科学雑誌Nature Astronomyに掲載されました。詳細はhttps://alma-telescope.jp/news/press/orion-201706もご覧下さい。

町田准教授と理論的解釈を担当した大学院生の松下祐子さん

この図はALMA望遠鏡による実際の観測(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO), Hirota et al.)中心の赤い部分は赤ちゃん星を取り囲む円盤、円盤の上下方向の青色はガスの噴出を示している。

この図は、左上の図の模式図(Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)。左上の図では分からないが、観測データから噴出されたガスが高速で回転していることが分かっている。

研究者からひとこと

この結果は主に国立天文台、九州大学、山口大学の研究者によるものです。九州大学は観測結果の理論解釈として加わりましたが、理論やコンピュータシミュレーションで行っていた研究結果が本当に宇宙で起こっていることを確認出来、大変感動しました。

論文情報

Disk-driven rotating bipolar outflow in Orion Source I ,Nature Astronomy,
10.1038/s41550-017-0146

研究に関するお問い合わせ先

理学研究院 准教授 町田正博

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