NEWS

研究成果

公開日:2017.08.08

高血糖時のTRPC6発現増加が心不全発症リスクを軽減
~糖尿病性心不全の予防・治療に期待~

研究成果 医歯薬学

糖尿病による心機能低下は、冠動脈硬化を伴う虚血性心疾患や高血圧とは独立した心病変として臨床的に注目されています。その原因として、心筋での酸化ストレス障害が示唆されていましたが、その発生機序は不明でした。
今回、生理研心循環シグナル研究部門の西田基宏教授(九州大学教授兼務)と小田紗矢香(総合研究大学院大学・大学院生)の研究グループは、味の素製薬(現 EAファーマ)株式会社、筑波大学、米国国立環境健康科学研究所(NIEHS)との共同研究において、心筋細胞膜で高血糖時に発現増加するCa2+透過型カチオンチャネル(transient receptor potential canonical :TRPC)6チャネルが、心筋細胞での活性酸素の生成を抑制することで心不全発症リスクを軽減することをマウスを用いて明らかにしました。
本研究結果は、英国科学雑誌Nature Publishing Groupが手がけるオンライン科学雑誌であるScientific Reports誌に掲載されました(日本時間8月8日(火)18時オンライン版掲載)。

(昨年度の研究成果)圧負荷心臓におけるTRPC3-Nox2タンパク質複合体形成を介したコラーゲン産生増加(心臓の硬化)

糖尿病性心不全発症におけるTRPC6の関与

TRPC6タンパク質によるTRPC3-Nox2タンパク複合体の抑制と糖尿病性心不全発症リスクとの関係

研究者からひとこと

糖尿病性心不全は突然死リスクの高い糖尿病合併症の一つであり、その予防・治療法の開発は極めて重要です。高血糖負荷により心臓でTRPC6タンパク質が適切に発現増加できる機構を明らかにし、これを維持あるいは促進する方法を開発することで、糖尿病性心不全の発症リスクを軽減することが期待されます。

研究に関するお問い合わせ先

薬学研究院 教授 西田 基宏

このページの一番上に戻るこのページの一番上に戻る