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研究成果

公開日:2019.08.22

沖縄トラフの熱水循環域に大きなガス層を発見
~新たな物質循環システムの発見と、資源利用の可能性~

研究成果 工学

 九州大学大学院工学研究院/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER)の 辻 健 教授、Andri Hendriyana(アンドリ ヘンドリアナ)学術研究員、同大学院工学府修士1年の椋本 浩太 大学院生は、地震探査データに対して新しい解析手法を適用し、沖縄トラフ軸部の熱水循環域というガス層が確認されていない地質環境で、大きなガス層を発見しました。
 研究グループは、地下構造を可視化する地震探査の解析において、これまで手動で行っていた作業を自動化させ、さらに高度な解析アルゴリズムを組み込むことで、高い解像度で地下構造をイメージングする手法を開発しました。その手法を、沖縄トラフ軸部(伊平屋北海丘周辺)で取得された地震探査データに適用しました。その結果、これまで知られていない大きなガス層を見つけることに成功しました(図1)。沖縄トラフ軸部といった熱水循環域では、これまで大きなガス層の存在が知られていなかった場所であり、新たなタイプのガス層になります。
 ガス層は、分かっているだけでも水平スケールが5 kmより大きく、さらにメタンが含まれると考えられることから、将来的に資源として利用できる可能性があります。またガス層には、二酸化炭素も含まれていると推定され、二酸化炭素の地球内部と地表(海洋)のやり取りを理解する上でも重要な発見と考えられます。
 このように今回発見したガス層は、地球環境や天然資源を考える上で、重要な役割を担う可能性があります。今後は、本手法を使って、日本周辺の新たなガス層の発見を試みます。なお研究グループでは、同様の手法を南海トラフの地震探査データに適用し、紀伊半島沖でも新しいガス層を発見しています。
 

図1.沖縄トラフ・伊平屋海丘周辺で新たに発見されたガス層の例。色は音波の伝わる速度を表しており、ガス層を音波速度の遅い場所(青い場所)として認識できる。なお、波の伝わる速度は、物質の硬さを表しており、速度が遅いほど柔らかい地層である。

研究者からひとこと

地下を可視化する探査技術を開発することで、天然資源の少ないとされる日本で、新たな資源が見つかれば嬉しいです。

研究に関するお問い合わせ先

工学研究院/カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(I2CNER) 教授 辻 健
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