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工学研究院安福規之教授がモンゴル科学アカデミーから“Honorary doctor of Mongolian Academy of Sciences”を授与されました

2019.06.14
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 本学工学研究院社会基盤部門の安福規之教授が、モンゴル科学アカデミーから名誉博士号(Honorary doctor of Mongolian Academy of Sciences)を授与されました。今回の授与は、“Achievements in development of ecosystem research and combating desertification in Mongolia” (モンゴル国における生態系調査と砂漠化防止の進展における業績)に対するものです。
 本名誉博士号は、モンゴル科学アカデミーが毎年、最大で3人の外国人研究者に授与する最高の栄誉です。
 選考は、モンゴル科学アカデミーに関係する研究分野の研究者を対象とし、モンゴル科学アカデミーの各研究所からの推薦に基づいて、モンゴル科学アカデミー本部に設置される選考委員会で行われます。日本人で2010年の授与以来3人目となります。
 授与式は、6月6日(木)にモンゴル科学アカデミーで開催され、理事長(President) の祝辞ののち、称号が授与され、記念講演として安福教授は“Mongolian Academy of Sciences Kyushu University Joint Research Greening Project since 2009”(モンゴル科学アカデミーとの2009年からの緑地化計画に関する共同研究)について、プレゼンテーションを行いました。
 この10年にわたる二国間の共同研究の前半は、佐賀県玄海町との薬草に関する共同研究からの支援や、科学研究費など公的な外部資金の支援のもとで乾燥地での土地劣化防止に向けて、薬用植物の自生状況や地盤環境に関係した現地調査・モニタリング・分析などを進めていました。そして、昨年、九大クラウドファンディングプロジェクトの支援を新たに受け、現地の住民の方々と一緒になって薬草栽培を活かした持続可能な砂漠化防止システムの開発に展開しています。まだ、研究、社会実装としては道半ばですが、10年間継続してモンゴル国、日本の研究仲間と協働して取り組んできたことがモンゴル科学アカデミーから評価されたものです。
 現在、研究対象地であるBogd村で、徹底した低コスト、省力、省水型の栽培・緑化手法の開発を進めており、今後は、その有用性を現地での社会実装を通して検証し、住民の皆さんのみならず広くモンゴル国に受け入れられる持続可能な技術の実装に研究仲間と一緒に取り組み、結果として生活環境や土地劣化の改善に大きく寄与することを目指します。

授与式での安福規之教授(左)

表彰式後、部員全員で記念撮影

現地緑化サイトの前でのドローンによる記念写真