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伊都に水素材料の研究棟オープン

2007.11.13
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 近い将来のエネルギー源として期待される水素。
 平成19年11月9日(金)、伊都キャンパスに、水素に関わる材料研究を行う世界最先端の研究棟が完成し、開所式が行われました。

 独立行政法人「産業技術総合研究所(以下、産総研)」と九州大学は、平成18年5月に連携協力協定を締結。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、同年7月1日には「産総研・水素材料先端科学研究センター(センター長:村上敬宜九州大学副学長)」を伊都キャンパス内に創立しました。

 九州大学の教員が水素材料先端科学研究センターの研究員を兼ね、産総研の専任研究員と共同で研究するという新しい形で、水素エネルギー利用社会実現のための基盤整備を目的とする「液化・高圧化による材料の水素脆弱(水素にふれる材料が脆くなる現象)の基本原理の解明及び対策の検討」「液化・高圧化した状態での水素の物性の解明」などを進めています。

 新たに完成した研究棟は、4階建てで延べ床面積3,571,43平方メートル。高圧水素実験施設(100メガ・パスカル程度までの高圧水素環境下での実験施設)と、高感度精密分析施設(超高感度の水素分析を行う実験施設)から構成されています。

 式には、産総研、九州大学、経済産業省、文部科学省、NEDO、海外の研究機関、福岡県、福岡市、地元自治体、企業などから関係者約150人が参加しました。また、この日は、自動車メーカー3社の協賛による燃料電池自動車の体験試乗会が行われ、音も臭いもない加速を、多くの市民、学生、教職員が体験していました。

梶山九州大学総長挨拶
 本センターは、伊都キャンパスを先端技術の実証実験の場にする計画の一環。水素に関わる材料研究に特化した世界でも稀な本センターが、社会変化に影響を与える成果を生み出すことを期待する。そのために不可欠な地元の理解と支援が得られるよう、大学も支えていく。

麻生福岡県知事挨拶
 福岡県には「福岡水素エネルギー戦略会議(会長:羽矢惇新日鐵エンジニアリング社長)」があり、約300の企業など産学官が連携して、安全で環境にやさしい水素エネルギー社会の構築を推進している。九州大学の学の力はその中心。今回の研究
棟開所が、この分野の世界のテストフィールドづくり、世界標準づくりへの飛躍につながることを期待する。

【写真】
(上)開所した水素材料先端科学研究センター(右の建物)。手前の構内道路を走る燃料電池自動車。
(中)祝辞を述べる麻生知事
(下)センターの入口で行われたテープカット。