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中村哲氏、川原尚行氏が開学記念講演

2007.05.10
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   平成19年5月9日(水)、「九州大学創立96周年 開学記念講演会」が開催され、「真の意味で社会貢献、国際貢献活動を行っている二人の九州大学OB」(梶山総長)である、中村哲氏、川原尚行氏が講演して、市民など約9百人の聴衆に感銘を与えました。

 中村氏は、パキスタン北西辺境州とアフガニスタンで携わった患者診療や食料援助、今年4月に第1期工事が最終地点に到達した灌漑事業など23年間の歩みを紹介。最後に、「現地で活動する中で、金さえあれば、武力さえあればよくなるという思いこみから自由になれること、日本にとって本当に大事なもの、無くてもいいものは何かを学びました」と結びました。
 
   川原氏は、外務省医務官を辞めてアフリカ・スーダンでの医療援助活動に携わるようになった経緯と現状を報告。「微力な自分ですが高校の後輩など多くの方々の支援でここまで続けることができました。中村先生に少しでも近づけるようこれからも情熱を傾けていきたい。応援をよろしくお願いします」と述べました。

 講演の後、聴衆からの質問をもとにディスカッションが行われました。「医療・国際協力で日本の役割は」との質問に、中村氏は「国内にも困っている所はたくさんある。日本がまず自国を医療福祉国家として世界に示すことも意味がある」と答え、川原氏は「日本は海外に箱(建物)を造って援助とするが、いかに魂を入れるかが大事。グローバル・スタンダードが言われるが、世界の各所に独自の価値があり、それを理解できる日本人だから果たせる役割がある」と述べました。
 

 この講演会の司会は近藤さん(放送部)、ディスカッションの進行はダラさん(インドネシア)と、二人の21世紀プログラムの学生が務めました。