Topics トピックス

盛会だった 第2回「九州大学・北海道大学合同報告会」[02/22]

2007.02.25
トピックス
九州大学梶山総長(右)、北海道大学中村総長(左) 07年2月22日(木)、2回目となる九州大学と北海道大学との合同報告会が「Innovation Challenge Forum 2007 ~大学の知を社会へ~」をテーマに、日本科学未来館(東京江東区)で開催されました。


◎挨拶と活動報告
 九州大学の梶山千里総長と村上敬宜副学長、北海道大学の中村睦男総長と長田義仁副学長が、それぞれの大学の活動理念やこの一年間の具体的成果を説明。文部科学省の徳永保研究振興局長が、「北大と九大には、社会全体の動きを見つつも主体的に判断して、50年先100年先を見据えた大学の有り様を提唱してほしい」と期待を述べました。


◎研究紹介
 まず、九州大学応用力学研究所附属力学シミュレーション研究センターの柳哲雄教授から日中韓に横たわる東シナ海と日本海における調査研究の現状と成果について、北海道大学低温科学研究所附属環オホーツク観測研究センターの江淵直人教授から氷の海であるオホーツク海に関する研究成果について、いずれも「環境」をキーワードに興味深い報告がありました。

 続いて産学連携のシステムや起業の実際について、九州大学システム情報科学研究院の池田大輔助教授と、北海道大学創成科学共同研究機構の荒磯恒久教授が発表しました。


トークセッション◎講演
 講演は「大学への期待」をテーマに行われました。
 まず九州大学卒業の元村有希子さん(毎日新聞社科学環境部記者・2006年科学ジャーナリスト大賞受賞)が、「両大学は東京から遠い分思い切った改革ができるはず」として、大学が抱える課題の分析と「女性学長を外部から登用しては」「人材は脱地域、共同研究や社会貢献は親地域で」などインパクトある提案を行いました。

 続いて北海道大学卒業の毛利衛さん(日本科学未来館館長・1992年9月スペースシャトルに日本人宇宙飛行士として初搭乗)が宇宙での体験をもとに、「今、教育は本来何のためにあるのかという原点にもどって考えるべき時」、「卒業生を世界に送り出し世界から人材を受け入れる」「世界を見ながら地域に貢献する」などを提言するとともに、来年秋の宇宙ステーション長期滞在に向けて訓練中の若田光一宇宙飛行士(九州大学卒業)からの激励のメッセージを読み上げました。


握手をする両大学総長◎トークセッション
 講演の後、お二人に両総長を加えて、会場とのトークセッションが行われました。両大学OBからの質問や意見が相次ぐ中、会場で聴いていた結城章夫文部科学事務次官が「幅広い力、本当の人間力を備えたリーダーになり得るドクターの育成を両大学に期待しています」と発言。毛利さんから「お互いの違いを明らかにすると自分が分かる。ぜひ具体的な何かを両大学共同でスタートさせてほしい」との提案があるなど、大いに盛り上がりました。