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11Kyushu University Campus Magazine_2010.7環境等のグループによる新たな研究プロジェクトが本格始動する予定です。 他方、教育面では、科学技術振興機構(JST)の戦略的環境リーダー育成拠点形成事業に採択され、平成22年10月より「東アジア環境ストラテジスト育成プログラム」を開始します。機構内に設置される環境ストラテジスト育成支援室が主体となり、東アジアの大学や国際研究機関との連携のもと、環境問題に関する体系的カリキュラム、海外インターンシップ、研究指導からなる教育プログラムを設置します。ここで育成する環境リーダーは、東アジアで発生する環境問題の実情、対策に関連する制度や技術について幅広い知識を有し、戦略的に問題解決に当たることができる「環境ストラテジスト(環境戦略家)」です。日本学生支援機構(JASSO)が実施する21世紀東アジア青少年大交流計画(JENESYSプログラム)にも採択されており、ASEAN諸国からの留学生への奨学金支援も行います。 今後は、研究プロジェクトの成果を教育面にもフィードバックし、第一線の研究現場を活用した教育を通じて、次世代を担う環境ストラテジストを育成します。当事業は、九州大学、ひいては我が国の学術的・社会的プレゼンスの拡大への貢献を目指しています。皆様のご支援をお願いします。 東アジア環境研究機構は、平成19年に発足した東アジア環境問題プロジェクトを母体とし、平成21年に改組・拡充して教育と研究の両面からアジアの環境対策に貢献するために設立された全学組織です。組織体制としては、機構長を九州大学総長、副機構長を担当副学長としており、機構内には研究プロジェクトを統括するプロジェクト推進室を設け、学術研究推進部、知的財産本部、国際部、国際産学官連携センターとの連携のもとで中国、韓国等の東アジアの連携校をカウンターパートとする国際共同研究を展開しています。 研究活動に目を向けると、平成21年度は、都市環境、水環境、大気環境を対象とした研究プロジェクトを立ち上げました。都市環境グループは、中国の大都市を対象とし、廃棄物最終処分に起因する環境負荷を低減可能な埋立処分技術の開発、都市ごみ焼却残渣をセメント原料として有効利用する実証研究に着手しました。水環境グループは、中国有数の淡水湖であり、富栄養化によるアオコの発生等で深刻な水質汚染が進む太湖およびその流域河川と周辺の湖沼を対象として、水質改善、生態系の回復・保全等の共同研究を行っています。大気環境グループは、中国西北部の甘粛省武威市近郊の砂漠地帯に、灌漑・緑化プロジェクトとして風レンズ風車6台を導入しました。風力エネルギーから効率的に発電して、地下水を定期的に汲み上げ、灌漑用パイプラインから散水して、乾燥に強い植物を育てる計画です。平成22年度以降は、フードリスク、低炭素都市システム、海洋九州大学の使命として、アジアの環境問題に取り組むクローズアップNEDO提案公募型開発支援研究協力事業による都市ごみ焼却残渣の循環資源化の実証研究(中国上海市老港廃棄物処分場内に建設)三菱商事の支援も受け実施される太湖流域河川における水生生物調査NEDOの支援による風レンズ風車発電を利用した砂漠の灌漑・緑化プラント「東アジア 環境研究機構」(文責:プロジェクト推進室長 島岡隆行)東アジア環境研究機構(RIEAE)Webサイト: http://www.q-eaep.kyushu-u.ac.jp/

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