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17Kyushu University Campus Magazine_2010.7有機光エレクトロニクス研究におけるパイオニア聞き手 薬学府修士課程2年 上野 恭子/薬学研究院 浜瀬 健司 准教授安達 千波矢 最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)センター長工学研究院応用化学部門教授、未来化学創造センター(CFC)教授あだち ちはや有機材料を使った新しいエレクトロニクス上野 先生は有機光エレクトロニクスをテーマに研究されているということですが、その研究内容について教えていただけますか。安達 基本的にエレクトロニクスは、電気を流して、情報を処理したり、ディスプレイに表示したりしますが、長年、その中心となる材料は金属やシリコンで、プラスチックなどの有機物は電気を通さないと思われていました。ところが、有機物でも極限の状態まで薄くすると、電気を通すことがわかったんです。浜瀬 極限の薄さって、どのくらいの薄さなんですか。安達 0.1ミクロン。髪の毛の厚さが20ミクロンですからその200分の1ですね。この有機物の膜に、電流を流すと、プラスとマイナスの電流がぶつかって、一時的にエネルギーが高い状態ができます。有機物はその不安定な状態から、低い安定した状態に戻ろうとするんですが、その時、一緒に光を放出するんです。この発光する現象が有機EL(エレクトロ・ルミネセンス)です。しかも、その光は、流した電流に対してほぼ100%発光します。できない技術はない。 有機ELの可能性に挑戦「ふろんとランナー」は、九州大学の研究の最前線をインタビューで紹介するシリーズです。シリーズ第21回目は、最先端有機光エレクトロニクス研究センタ―長の安達千波矢教授に、薬学府修士2年の上野恭子さんと薬学研究院の浜瀬健司准教授が聞きます。21

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