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14Kyushu University Campus Magazine_2011.5法学研究院担当教授よりユルチス・ポールさんDATA■九州大学の関連WEBサイトへGoヴィタウタス マグヌス高校(Vytautas Magnus High School) ↓ヴィリニュス大学(Vilnius University)法学部 ↓九州大学大学院 法学府 修士課程(LL.M.) ↓九州大学大学院 法学府 博士課程(LL.D.)河野俊行 教授こう の としゆきNEXT Professionalポールさんの故郷・リトアニアは、バルト海沿岸に並ぶバルト三国の1つです。高校時代はバスケットに夢中。大学はエンジニアの両親とは違う仕事をしたいと法律の道を選んだのだそうです。研究員修了後の進路は、現在模索中とのことでした。memoませんでしたが、リトアニア語と発音が似ていたので覚えやすかったです。日本語は難しいと言われますが、難しい方がおもしろいと思いますよ。」 ポールさんいわく、日本人は法律以前に、社会規範がしっかりしているとのこと。義理や人情を大切にしているのは素晴らしいと言います。しかし、自分の意見をストレートに言わない日本人の性格は、なかなか理解できなかったそうです。「日本人はその場の空気を読みますよね。最近、それがわかってきて、空気を読む日本人の空気を、僕が読めるようになりました(笑)。」 来日以来、趣味で習字を習っているというポールさん。日本の祭りも好きで、日本各地の祭りを訪れているとか。 「貴重な経験ばかり。その内容は、ブログや雑誌を通して母国に紹介させてもらっています。」いつも前向きに挑戦する気持ちが大切。 「私は、日本学術振興会の奨学金で勉強させてもらっています。日本に感謝するとともに、将来は、日本と世界の架け橋になるような仕事ができればと思っています。何事も前向きに挑戦していくことが大事です。今後、国際シンポジウムのように、九大から世界に発信できる機会が増えることを願っています。それが、さらなる九大の発展につながると思うので。」 そう笑顔で語るポールさんは、日本人以上に日本を、そして九州大学を愛してくれているように見えました。九州大学 法学府http://www.law.kyushu-u.ac.jpパワーとアイデアに溢れた研究スタイルです。ユルチス君はLL.M.コースに入学したとき「修士論文を2本書きたい」と相談に来ました。エネルギーの使い様はほかにもあるからと、修士論文は1本だけの執筆に収めましたが、その後も、複数の海外の査読付学会に手を挙げて招聘され、またユニドロワという国際機関の条約策定の事務局のインターンシップに加わるなど、パワーとアイデアに溢れるスタイルでLL.D.コースを駆け抜け、日本学術振興会の特別研究員に採択されるに至りました。最近も、国際私法の経済学的分析を発展させる報告を某学会(於ミラノ)で、私と共同で行ったばかりですが、着想力は十分です。ただ、アイデアを詰める力、人に伝えるための形に落とし込む力、にはまだ向上の余地があります。日本語もゼロから始めて判例が読めるまでになりました。これからも常に高みを目指して歩んでほしいと思っています。将来は、日本と架け橋になり

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