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NEXT Professional教員より■九州大学の関連WEBサイトへGo九州大学 システム生命http://www.sls.kyushu-u.ac.jp理学研究院 生物科学部門広津 崇亮助教ひろ つ たかあき彼は、抜群の研究センスの持ち主。新しい研究にも期待しています。彼の生きている生物でタンパク質の活性化を見る技術は、応用範囲が広く、その最初の研究として評価できます。研究者は、こんな実験をすればこんな証明ができるんじゃないかといったことを上手く思い付く能力が必要になりますが、彼はこれに長けています。生物分野の研究は時間がかかるため、博士号をとって、やっと一本論文を書きあげるといったことも珍しくありません。そんな中、博士1年でトップジャーナルに論文を発表できたのは、研究センスに優れているからでしょう。また、彼に今回の研究テーマを渡す時に、『Nature』に論文を出すという目標も一緒に与えました。その目標をクリアできたところを見ても、彼は、目標が大きければ大きいほど、力を発揮するタイプのように思います。粘り強さもあるし、研究姿勢に関しては言うことありません。欲を言えば、研究室で最年長なので、今以上にリーダーシップをとって後輩を引っ張っていってほしいですね。これからの研究にも期待しています。魚住 隆行さん DATA←←とを、世界で初めて自分が発見したんだと思うと感無量でした」と魚住さん。 この研究で得られた成果や技術は、他のタンパク質の活動の可視化にも応用できます。また、Rasタンパク質はガンを含む多種の疾患に関わる原因分子として知られており、ガン研究など医学面への貢献も期待できます。 魚住さんは、高校で生物学のおもしろさを知ります。本学へ進学後、人の細胞の中で何が起きているのか、生命現象のしくみを解明したいと思い、分子生物学の方向へ。今後は少し視点を変え、Rasタンパク質が介在神経の安定化に働きかけるメカニズムを研究する予定です。 「新しい知識や技術をたくさん習得したいので、新たな研究には、新たな実験手法を取り入れて挑戦するつもりです。自分の研究を通して、少しでも多くの人に、生物学のおもしろさを伝えていけたらと思っています」 研究者は、専門分野だけでなく広い分野に興味を持ち、積極的に知ろうとすることが大事だと話す魚住さん。その探究心と粘り強さが研究の原動力となっているようです。今後も研究者としての活躍が期待されます。専門外のことにも興味を持って知ることが大事。研究を通じて、多くの人に生物面白さを伝えた※ 1 京都大学・松田道行教授より提供魚住さんは、理学部内の研究室の交流を深める「Quricon」というイベントの実行委員として活動されています。他の研究室の学生の研究を聞いたり、意見を交換したりする中で刺激を受けることも多いそうです。memo福岡県立 宗像高等学校九州大学 理学部 生物学科九州大学大学院 システム生命科学府 一貫制博士課程14 Kyushu University Campus Magazine_2012.7

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