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数値風況予測技術「RIAM-COMPACTR(リアムコンパクト)」による風環境評価伊都キャンパス・ウエストゾーンとセンターゾーンの風環境はじめに 九州大学 応用力学研究所 風工学分野では、「RIAM-COMPACTR (Research Institute for Applied Mechanics, Kyushu University, COMputational Prediction of Airflow over Complex Terrain;リアムコンパクト)」と称する局所風況(空間スケールで数m?数十km程度)を格段に高い精度で予測可能な数値モデルの開発を進めています。本技術は、(株)産学連携機構九州(九大TLO)の協力を得て、実用化に既に成功しています(2006年にRIAM-COMPACTRの商標と実用新案を取得済)。最大の特長は、流れの衝突、剥離、再付着、逆流などの風に対する地形や建物の効果を高精度に予測し、動画として表示可能な点です。 2009年には、文部科学省の科学政策研究所(NISTEP)がまとめた「大学・研究機関の多様な成果」に、同研究室の大屋教授・烏谷准教授が開発を進める「風レンズ風車」とともに選出され、総合科学技術会議へ報告されました。2010年には、風力分野における研究活動に対して、科学技術分野の文部科学大臣表彰・若手科学者賞を受賞しました。 RIAM-COMPACTRの適用範囲は、下記に示すように広範囲に拡がっています。風力発電分野■業界標準モデルの一つとして広く認知されています。国内の風力事業者最大手の(株)ユーラスエナジーホールディングス、電源開発(株)、日本風力開発(株)、エコ・パワー(株)、ミツウロコグリーンエネルギー(株)、国内の風車メーカー最大手の三菱重工業(株)を含め、多数の導入実績を有します。大気環境アセスメント分野■実在市街地を対象としたビル風に伴う風害対策■大気汚染物質などの移流・拡散予測(テロ対策)風工学分野■山間部の地形性局地強風の発生メカニズム解明■山間部の送電鉄塔周辺の風害対策■台風に伴う歴史的建造物の風害対策■竜巻に伴う風害対策(図1)鉄道分野■突風・強風時の安全運行支援システム構築■線路周辺の風害対策および風況マップ作成Cl seup九州大学 応用力学研究所 風工学分野准教授 内田 孝紀図1 竜巻の数値シミュレーションKyushu University Campus Magazine_2012.7 19

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