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Kyushu University Campus Magazine_2012.7 7中堅規模の都市でも採算がとれ、これまで運航していなかった都市を結ぶ路線が開設できます。例えば、アメリカ西海岸のサンノゼへの運航も決定しました。サンノゼは、IT企業が多く集まるシリコンバレーの中心都市です。ここに直接入る便ができることで、さらなるビジネスの活性化が期待できるでしょう。ー乗り心地はいかがでしょう。伊東 静かな飛行機ですよ。機内の気圧や湿度を高く設定できるので、地上により近い空間が保たれています。居住環境が従来の飛行機に比べてかなり改善されています。福岡にも飛んでいますので、ぜひ乗ってみてください。来のものとどのように違うのでしょうか。また、期待されていることなどをお聞かせください。伊東 ボーイング787は中型機で、準日本製と言われるほど日本の部品が使われています。カーボン素材を採用しているので機体が軽い。その上、エンジンも進化したので、これまで中型機では飛べなかった長い距離を飛ぶことができます。ジャンボなどの大型機は、機体が大きいので座席数も300以上と多くなります。ですから、その座席を埋めるだけの利用客が見込める都市でなければ運航できません。利用客が少ない都市では採算が合わないのです。それに対して、ボーイング787は長距離国際線用で座席数158席。ー中国線を開設したことで、どのような変化がありましたか。伊東 日本の企業がものすごい勢いで大連に進出してきました。工業団地もできて、今は6000?7000人の日本人が暮らしています。中国線の開設は、日本企業の中国進出を加速させることになったのです。航空業界が果たす役割は、「人や物を運ぶ」ことだけに留まりません。国と国との交流のきっかけになったり、地域をさらに発展させたりといった役割も担っています。中国線の開通は、それを実感できる事例の一つでしたね。ー開設後、国際線の運営は順調だったのですか。伊東 成田の発着枠のほとんどを日本航空がお持ちでしたので、開設後の苦労も多かったですね。国際線を開設して25年になりますが、そのうちの18年は赤字です。四半世紀かけて、やっと利益が上がるようになりました。ー世界で初めてボーイング787を導入されましたが、この飛行機は、従ボーイング787を世界ではじめて導入。

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