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皆さん、薬学部への入学おめでとうございます。 グローバル社会には様々な病気が存在し、あるいは新たに見出され、また根治されたと思っていたものが再興し、多くの人々がそのために苦しんでいます。医薬品はこれまでも、これからも私たちの生命を守り、生活の質(QOL)を回復し維持し高めるための大切なツールです。私たちはこのような「薬」にまつわる様々な活動、例えば、新しい優れた薬の種を探索・創製し、薬を創る技術を開発し、そして医薬品産業で活躍する人材や、高度専門化する医療現場で輝く薬剤師を育てることなどを使命として日々努力しています。また、化粧品、食品添加物、健康食品、あるいは環境汚染物質などに含まれる化学物質について良く知り、うまく活用したり、あるいはそれらから受ける健康被害を未然に防いだりすることも現代では大切になっています。この状況に対応できる人材を育てることも私たちの責務です。正に、現代社会は「薬学の時代」と申しても過言ではありません。薬学部で教員と共に育ち、近い将来、皆さんが、「薬学の時代」を支えるエキスパートとして輝くことを期待しております。 新入生の皆さんご入学おめでとうございます。歯学部への入学を無事果たし、家族の皆さんとその喜びを分かち合われていることと思います。一方で、合格に至るこれまでの苦労や困難は家族との絆によって緩和されていたのではないでしょうか。このような人と人の繋がりは家族の中だけでなく社会全体に張り巡らされたネットワークであり、人の喜怒哀楽がそのような絆のネットワークを介して、増幅あるいは減衰することで社会は躍動しています。 歯科医療では歯科医師と患者さんとの個人的な関係に関心が集まりがちですが、それだけでは患者さんの真の求めに応えることはできません。歯科医学において本当に意味のある成果を得るためには、他人に共感でき、かつ他人から共感される大きな人間力を身につけることが大切です。私達のミッションは、歯学教育を介して皆さんが社会貢献を果せるような人間としての総合力を育むことです。これから6年間、ともに高い理想を目指し歩んでいくことで、皆さんの若さという潜在能力に稔熟の輝きが増すことへの大きな期待と喜びを隠せません。 皆さんのご入学を心より歓迎いたします。薬学の時代井上 和秀い の う え か ず ひ で|専門分野|薬理学薬学部長歯科医学の基本は「人は支え合って生きていることを知る」こと赤峰 昭文あ か み ね あ き ふ み|専門分野|歯科保存学 皆さんご入学おめでとうございます。九州大学医学部キャンパスは、皆さんが目標を達成するための最高の場であると確信しています。志高く、身を整え、敬いを持って医学部キャンパスの門をくぐってきてください。大歓迎いたします。 門を入る時、出る時、一度は空を見上げることを勧めます。いかに素晴らしい場に居るかが実感できます。キャンパスに居ながら山も海も見えます。是非、遠くを見る癖を付けてください。近くのものがよりはっきりと見えてくるようになります。もう一つ、心の時間軸を長くすることに努めてください。そうすれば、今日の悩みは小さくなり、明日の目標が見えてきます。さあ、頭を上げ、時間軸を長めに調整し、皆と語らい、食事をし、学びあいましょう。我々教員は、皆さんの高い志の達成のための助力を惜しみません。皆さんは、我々教員を信じ、社会貢献のできる人として成長することに邁進してください。是非、人から与えられた知識の習得に満足せず、自身が社会に貢献しうるものを新たに作り上げることを目標の一つにしてください。共に、世界のリーダーとなる気概を持って、毎日門をくぐりましょう。遠くを見つめ、心の時間軸を長く片野 光男か た の み つ お|専門分野|腫瘍学・消化器外科学医学部長歯学部長Kyushu University Campus Magazine_2013.3 5

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