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■九州大学の関連WEBサイトへGo九州大学 地球資源http://www.mine.kyushu-u.ac.jp/価につながったのだと思います」 造山型鉱床は日本にない鉱床タイプで、あまり研究が進んでおらず、研究時の苦労も多かったといいます。 「日本語で書かれた論文が全くなく、研究は常に手探り状態でした。でも、努力が結果に結びつかなくても、経験にはなると思っていました。経験を重ねながら、将来活躍する自分を思い描いていると、自然に研究へのモチベーションも上がってきましたね」と語る宮本さん。来年、修士課程を修了した後は日本の鉱山会社に就職予定です。 「就職したら、鉱床探査の仕事で世界を飛び回ることになりそうです。大変だと思いますが、昔から興味のあった資源開発の上流部分に携われるのがうれしいです。いつの日か、新しい鉱床を見つけて、日本と鉱床を持つ国の両方に有益となるような資源開発ができればと思っています」 来年の春、大きな夢を抱いた若き研究者は、九州大学から世界の舞台に飛び立ちます。←←宮本真さん DATA※1 鉱床(こうしょう)…人間にとって有用な鉱物が濃集し、かつ、採掘しても経済的に採算がとれる場所のこと。※2 石英脈(せきえいみゃく)…二酸化ケイ素からなる鉱物が連なっている部分。※3 鉱化(こうか)した…ここでは、金が鉱液から沈殿したという意味。※4 造山型鉱床(ぞうざんがたこうしょう)…新しい鉱床であるため、まだ定義そのものが曖昧ではあるが、造山活動に伴う金鉱床の総称のこと。中学ではバレーボール部、高校では柔道部に所属していた宮本さん。部活で鍛えた体力が、モンゴルでのフィールドワークにも役立ったといいます。休日は山登りに行くなどスポーツマンである一方で、昔から読書も好きとのこと。現在は修士論文の大詰めで、休みの日も研究に取り組んでいることが多いそうです。memo福岡県立福岡高等学校九州大学 工学部 地球環境工学科九州大学 大学院工学府 地球資源システム工学専攻 修士課程指導教員より大学で培った資源地質学の知識を活かし、日本に貢献してほしい。工学研究院渡邊 公一郎わたなべ こういちろう 教授努力が結果に結びつかなくても、経験は自分に残る。 彼は、学部4年生のときに私の研究室に入ってきました。世界を視野においていたようで、当時から熱心に英語の勉強をしていましたよ。研究も、指示されるのを待つのではなく、自分で考えて進めています。フィールドワークにも積極的に出かけ、岩石試料を持ち帰り細かな研究を続けていました。9月に国際会議で最優秀賞を受賞しましたが、研究内容がユニークで、英語のプレゼンも上手で、海外の著名な先生からも高い評価を受けていました。また、彼は研究室に所属する留学生のサポートもよくやってくれています。オープンマインドでリーダーシップもあるので、研究室のみんなから頼りにされているようです。資源産業は日本の持続可能な発展のために必要不可欠なので、それを支える資源エキスパートも当然必要となります。宮本君にもグローバル人材として活躍し、将来は、日本のために貢献してほしいと思っています。2012年9月 モンゴルボロー金鉱山で研究チームと鉱山の方々と。2011年7月 モンゴルガツァート金鉱床で岩石試料を採取中。12  Kyushu University Campus Magazine_2013.11

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