http://www.kyushu-u.ac.jp-kyudaikoho_90
18/40

 地球環境に配慮する時代が到来し、高度情報化、グローバル化、少子高齢化が確実に進む中、東日本大震災の体験を経て、安全・安心で持続可能な社会の構築が希求されています。持続可能な社会を支える知的なインフラとしての大学の重要性は、今後さらに増すものと思われます。文系地区基本設計は、そうした時代の大学キャンパスづくりにふさわしいものを目指したもので、七つの部局と中央図書館という、伊都キャンパスには未だかつてなかった複合的地区の設計のために学内外の英知を結集しました。 文系地区は、計画延床面積約8万2千㎡という大規模な施設を有します。施設群の配置にあたっては、「新キャンパス・マスタープラン2001」における全体の骨格を踏まえる必要があります。文系地区の南側に幹線道路、中央に歩行者専用の「キャンパス・モール」、さらには、南北の緑地をイースト・センター・ゾーンWGコアチーム長、人文科学研究院教授 柴田 篤新キャンパス計画推進室 教授・副室長 坂井 猛結ぶ「グリーンコリドー」を整備し、地区の中央に教育研究棟、北側に将来拡張用地、南側に大講義室、南西部には、中央図書館、さらに南側に開放的な屋外空間「キャンパス・コモン」を計画しています。地区基本設計の策定にあたっては、「新キャンパス・マスタープラン2001」を踏まえ、部局の要望等を整理検討して、「文系地区におけるキャンパス環境づくりの共通ビジョンと基本設計方針」を作成しました。﹇1﹈九州大学の歴史や伝統の継承、﹇2﹈センター・オブ・エクセレンスに相応しい新たな象徴性を備えるキャンパスと施設、﹇3﹈建築デザインのスタンスと建築物への期待、﹇4﹈地域の歴史との融合■2-1 施設配置﹇1﹈敷地特性による生活環境に対する影響への配慮、﹇2﹈複数施設の配置関係に関する留意点、﹇3﹈施設の配置に関する留意点■2-2 施設計画-棟構成および機能配置﹇1﹈文系地区の多様な部局の独自性と学際性の醸成に貢献する教育研究棟の構成、﹇2﹈教育研究活動の特性に基づく機能配置、﹇3﹈利用者属性や利用形態に基づく空間区分、﹇4﹈より高い教育研究活動のために求められる施設や機能■2-3 教育研究活動環境に求められる品質﹇1﹈部局の独自性や学際性および地区全体の統一性、﹇2﹈隣接する既存施設やキャンパス全体計画との整合、﹇3﹈建築物の性能や品質の確保、﹇4﹈インフラの品質・安全性の確保、﹇5﹈教育研究の多様な活動を支える利便性や快適性の確保、﹇6﹈熱、音、光などの室内環境の品質への配慮、﹇7﹈多様な活動に対応するスペース等の計画﹇1﹈学術研究都市の核となる地域や世界に開かれたキャンパス、﹇2﹈文系地区の特性に配慮したオープンスペース、﹇3﹈自然環境や歴史的特性を活かした交流や憩いのためのガーデン・キャンパス﹇1﹈地球環境と共生する未来型キャンパス、﹇2﹈敷地特性を活かした土地の有効活用、﹇3﹈教育研究活動の新たな変化に対応する柔軟性の確保、﹇4﹈先進技術の応用による地球環境に優しいキャンパスづくり﹇1﹈ユーザーの健康に配慮したキャンパスデザイン、﹇2﹈快適な移動空間や憩いの空間による快適なキャンパス環境づくり、﹇3﹈防犯上の安全性、﹇4﹈緊急時の迅速な対応、﹇5﹈技術に基づく防災性と信頼性の高い災害時危機管理、﹇6﹈外部利用者や搬出入等サービス動線 文系地区の敷地は、南北を水崎城址の山、戸山、金くそ古墳等の緑地に囲まれ、学園文系地区基本設計の概要新時代の大学キャンパスへ文系地区の全体計画文系地区におけるキャンパス環境づくりの共通ビジョンと基本設計方針(骨子)Ⅰ歴史と伝統を継承し、新たな象徴性を備えるキャンパス環境Ⅱ文系地区各部局と図書館の多様な 活動を重視したキャンパス環境Ⅲ地域社会、世界に貢献するために多様な交流を作り出すキャンパス環境Ⅳ地球環境に優しく、持続可能な未来型のモデルとなるキャンパス環境Ⅴ安全・安心で快適なキャンパス環境文系地区基本設計の特徴Kyushu University Campus Magazine_2013.11  17Cキャンパス・モール沿いの屋外小空間

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です