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28  Kyushu University Campus Magazine_2013.11 日本からスウェーデンに降り立つ最初の地・アーランダ空港から電車で走ること20分。ウプサラ市に到着です。このスウェーデン第4の都市は、私の地元の香川県高松市と同規模の、こぢんまりとした石畳の街。街のシンボル大聖堂は、土地勘のない留学生の目印でもあります。 ウプサラの天神、ストラトリエット(大広場)から丘に向かって真っすぐ伸びるクィーンズ・ストリートを上れば、そこにそびえるのはカロリーナ・レディヴィヴァという愛称で親しまれる、ウプサラ大学中央図書館。1620年にスウェーデン国王の肝煎りで設立された図書館にその起源を持ち、学生や市民は、まさに歴史や文化の厚みの中で勉学に励みます。その裏手には、人文学科学系のキャンパスが広がっています。交換留学について詳しく知りたい方は、「九大生のための海外留学情報」(http://www.isc.kyushu-u.ac.jp/intlweb/study/)をご覧ください。過去の交換留学生による報告書も大学毎にたくさん掲載しています。 ウプサラ大学は北欧最古の大学で、1477年に設立されました。昨今、留学生がこぞって集まっているのは、サステナブル・ディベロップメント(持続可能な開発)学部。この学部では、大量生産・大量消費という価値観の見直しを社会的なムーヴメントに引き上げていくための理論と実践方法を学ぶことができます。 また、スウェーデンと言えばノーベル賞の授賞式が首都ストックホルムで開催されますが、毎年、授賞式翌日に受賞者がウプサラ大学のキャンパスに登場し、受賞内容等を説明してくれます。 留学生も一般学生と同じエリアに住み、寮でかけがえのない友人を得ることもあります。また、寮生とはほぼ毎日顔を合わせるので、寮生活を通じて多様な価値観の摺合せを、身を持って学ぶ機会にもなります。 このように、ウプサラは、学術的な学びと生活での学びの両方が深められる場所だと言えます。大学の特色私がよく通っていたのは、ブローセンフスというキャンパス。2010年に新しく移築されたばかりの教育学部・心理学部専用のこのキャンパスで、私は自分が知りたかったスウェーデンの教育の全体像や、スウェーデンの特別支援教育と高等教育の在り方について学びました。授業は座学だけではなく、実際の教育現場に入り込むこともできます。私の場合はウプサラ市内の特別支援学級でプチ調査を行い、素人に毛が生えた程度のスウェーデン語と拙い英語で先生方にインタビューをしました。 ウプサラは大学の街ですが、それを実感するのが「ネイション」に参加した時でしょう。「ネイション」とは、原則スウェーデンにある13の地区の出身者によって構成される学生団体で、パブ・レストラン・カフェ・クラブといった機能を備えています。私は、その一つの「カルマル・ネイション」で働きました。皆早口のため意思疎通が困難で、とりわけ最初4か月は苦労しましたが、かけがえのない友達との貴重な経験を積むことができました。街のシンボル・大聖堂と初秋のフィリソン川九大生が案内する世界のキャンパスネイションこと学生組織のレストランで働く学生スタッフの学期末お疲れ様パーティーにて。子どもの頃の夢がドレスコードだった。カロリーナ・レディヴィヴァという愛称で親しまれる、ウプサラ大学中央図書館ウプサラ大学人間環境学府修士課程2年 藤堂優子(とうどうゆうこ)留学先大学(スウェーデン)

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