NEWS

お知らせ

公開日:2020.01.23

レーザー核融合ロケット実現に向けた共同研究を開始 —推進システムの原理実証に向けて—

お知らせ

 九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教と山本直嗣教授のグループは、レーザー核融合ロケットの実現に向け、株式会社IHIエアロスペース、光産業創成大学院大学、大阪大学レーザー科学研究所、広島大学、パデュー大学、明石工業高等専門学校と共同研究を開始しました。

 現在、有人月・火星探査に向けた研究開発が各国で開始されています。核融合プラズマを推進材とするレーザー核融合ロケットは、他の技術と比べて圧倒的な大推力と低燃費を実現できます。そのため航行時間の大幅な短縮(火星まで約3ヶ月で到達)が可能であり、宇宙推進のゲームチェンジャーとなる技術として期待されています。一方、課題も多く、失敗を恐れず開発に果敢に挑戦するスピリッツが求められ、ムーンショットと呼ぶにふさわしい研究テーマです。

 レーザー核融合ロケットの概念は40年以上前に提唱され、我々は模擬実験によって推力の発生(doi:10.1063/1.3626600)を確認し、強磁場発生技術(doi:10.1063/1.5049217)と高エネルギーレーザーを組み合わせ、プラズマ排出制御(doi:10.1038/s41598-017-09273-3、 研究成果: https://www.kyushu-u.ac.jp/ja/researches/view/188)を確認しています。この間、レーザー核融合研究は、新たなレーザー技術(2018年ノーベル物理学賞受賞)及び先進的な核融合点火方式が導入されるなど、著しい発展を遂げています。そこで、最新のレーザー核融合研究の成果を反映したロードマップを作成し、マイルストーンを設定した上でレーザー核融合ロケットの実現可能性を検討する研究開発を大学・企業と連携して行っていきます。

 本共同研究は、2020年1月14日(火)から始まった大阪大学・レーザー科学研究所の大型レーザー施設を用いた実験キャンペーンより本格始動しました。このレーザー施設は数キロジュールのレーザー出力を有する国内随一の装置です。最初のマイルストーン(2022年)として設定した“レーザー核融合ロケット推力に対するスケーリング則(プラズマエネルギーに対して得られる推力の関係)確立”を目指し、数ジュールから数キロジュールのレーザーを用いたレーザー核融合ロケットの模擬実験と数値シミュレーションにより、共同研究・開発を進めていきます。

 

研究者からひとこと
 将来の高出力・低燃費ロケットとして有力な候補であるレーザー核融合ロケットは、レーザー照射で生成される核融合プラズマを、磁場で制御して排出し、推力を得ます。今後、核融合研究者と協力し、実験・シミュレーションで推力を検証することで、核融合ロケットの具体的設計を進めていきます。

 

レーザー核融合ロケットVISTAの概図 。米国リバモア研設計(2003年)。レーザーを用いた核融合反応で生じる高エネルギープラズマを磁場で右向きに排出している概念図(矢沢サイエンスオフィス提供)。このロケットでは、レーザーを照射することで燃料を爆縮して核融合を引き起こすと同時に、ロケットの推進剤をプラズマ化し、強力な磁場によってロケット外へ排出することで推力を得ます。

1月14-17日に行われたレーザー核融合ロケットの模擬実験では、大阪大学の大型レーザーを用い、写真のように多くの共同研究者・学生が参加しました。

お問い合わせ

大学院総合理工学研究院 助教 森田太智
電話:092-583-7587
FAX:092-583-7587
Mail:morita★aees.kyushu-u.ac.jp
※メールアドレスの★を@に変更してください。

このページの一番上に戻るこのページの一番上に戻る