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新型コロナウイルス禍におけるメンタルヘルス問題への対応マニュアルを作成

公開日:2021.09.30

 

お知らせ

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界的に感染者数が増加しており、感染や重症化、死の恐怖に加え、ソーシャルディスタンシングによる孤独や経済的な不安も高まっています。このためうつ病や不安症の発症増加、それに伴う自殺リスクの増加も懸念されます。

九州大学大学院医学研究院精神病態医学分野の中尾智博教授、村山桂太郎助教、国立精神・神経医療研究センター(NCNP)・認知行動療法センターの久我弘典センター長らの研究グループは、厚労省特別研究事業として昨年から今年にかけ我が国におけるCOVID-19に起因したメンタルヘルス問題についてアンケート調査を実施しました。その結果、全国の精神保健福祉(精保)センターや精神科医療機関に対人関係や偏見差別の悩み、不安やうつ、不眠といった精神医学的問題などが多数寄せられている実態が明らかになりました(2021/7/28プレスリリース)。

中尾教授らの研究グループはこの調査結果をもとに、COVID-19によるメンタルヘルス問題に対応するためのマニュアル作成に着手し、この9月に完成しました。このマニュアルは精保センターなどで対応にあたる精神保健相談員向けに作られ、リモート(電話やメール)相談の受け方、相談内容に応じた対応を行うためのスクリーニング方法、サイコロジカルファーストエイド(心理的応急処置介入)の方法、うつや不眠への認知行動療法による介入などについて、わかりやすく解説されています。また実際の対応場面を模擬的に紹介する付属動画も同時に提供されます。このマニュアルは全国の精保センターや精神科医療機関に広く配布されるとともに、本マニュアルを用いた研修会も予定されており、COVID-19によるメンタルヘルス相談への対応力の向上につながることが期待されます。

本研究は、厚生労働科学特別研究事業(課題番号20CA2074)および国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)(課題番号 JP21dk0307099)の支援により行われました。

マニュアルはリモート相談の受け方やスクリーニングの方法、面接の進め方をわかりやすく解説し、付録の動画で面接の実施方法について視覚的にも学べるようになっています。