Research 研究・産学官民連携

環境設計はすでに国境を越えている-環境設計国際ハブ-

芸術工学研究院 研究紹介

環境設計はすでに国境を越えている-環境設計国際ハブ-

 建築やランドスケープの設計では、すでにグローバル化は完了しており、その枠組みのなかでいかに活動するかという段階にきています。この状況にこたえる仕組みとして、環境設計学科は「環境設計国際ハブ」をつくりました。これは学科の多くの教員がひとつの意思で連携して活動している、実体としての組織です(図)。

「ハブ」ですので、環境設計学科と海外の諸大学にある建築学科などを結びます。バングラデシュ工科大学、台北科技大学、銘傳大学(台湾)、香港中文大学、フィリピン大学、パリ=ラ=ヴィレット建築大学(エラスムス・プラス締結)、ボルドー景観建築学院、カリフォルニア・ポリテクニク・ポモナ校です。これら相手校とばらばらにつきあうのではなく、三校、四校にまたがるネットワークができます。

 またこの枠組みのなかで、学内他組織、国内の他大学や、設計家資格団体とのネットワークも構築していきます。

おもな活動内容です。

  • 教員の海外派遣、受入れ、サバティカルなど。
  • 海外の大学からの招聘教授による講義、設計演習の指導。
  • 既存の交換留学のさらなる活性化。
  • 教育の共同実施。とくに設計演習の合同開催。
  • 九大EEPプログラムの準用。
  • エラスムス・プラスなどの海外の包括的交流システムの準用。その受け皿、交渉相手、エージェント的活動。

「ハブ」により、「グローバル」は遠いものではなくなり、学生の日常の勉学のなかに、さりげなく、でもしっかりとはいってきます。

 直近では、EEPプログラムの支援により、環境設計学科、環境・遺産デザインコース、デザインストラテジー専攻の学生10数名が、バングラデシュ工科大学に赴き、マウラ教授の指導のもと、当地の学生たちといっしょに設計課題にとりくみました。ひとつの都市を対象として、異なる国籍、大学、学科コース、専門の学生たちが、英語、図面、模型という共通言語をとおして、複眼的にアプローチし、さまざまなプロジェクトを提案するよいレッスンでした(写真)。

ハブ担当はいまのところ谷正和教授包清博之教授土居義岳教授田上健一教授大井尚行准教授鵜飼哲矢准教授朝廣和夫准教授井上朝雄准教授川本陽一助教岩元真明助教などです。ほかの先生にもご協力いただいています。将来的には、環境設計学科そのものを超えた国際的組織にしたいと思います。