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芸術工学研究院 研究紹介

人はどのように環境を評価・判断しているか 環境デザインのためにユーザーの評価・判断のメカニズムを探る

大学院芸術工学研究院 環境デザイン部門
教授 大井尚行

 我々の研究室では,都市・建築環境デザインの評価,中でも個人の評価・判断のメカニズムを探り,設計プロセスの中にいかに取り入れるかをメインターゲットとして研究を行っています。
 従来の環境心理評価では,ある言葉(尺度)を用いて評価実験を行い,どのような環境が適切かを調べてきました。しかし,実際の環境において評価すべき心理尺度がすべてわかっていることはほとんどありません。人は問われればある尺度について,なんらかの評価を下すことはできますが,それが通常その人が感じていることを表すものとは限らないことが問題です。
 尺度を定めずに評価構造を探る方法として,対象となる空間の概念や範囲を定められれば調査が可能な評価グリッド法やキャプション評価法があり,大井研究室でもこれらを応用してさまざまな対象環境について研究を継続して行い,多数の知見を発表してきました。

キャプション評価法:実環境において,気になるものを写真に撮り,評価理由を考え整理する

評価グリッド法:複数の対象を比較させて優劣をつけてもらい,その理由を聞き出し整理する

 しかし個々の部屋や空間に限定できない評価もあり得ます。たとえば「健康的な居住環境」とはどのようなものかを知るという課題では,特定の環境が直接「健康」につながることがなく,行為・場所・時間・周囲の人々といった行動場面全体を考える必要があり,新たにイメージ・グリッド法を開発することで人々のイメージを把握することができました。

イメージ・グリッド法:あるコンセプトに結び付く場面を詳細に想起させ,その理由を聞き出し整理する

 今後もユーザーの判断やイメージをデザイナーが把握することを支援することで,環境デザインにおいてデザイナー個人の情報収集や発想を超えたデザイン・プロセスの確立を目指していきます。

■お問い合わせ先
大学院芸術工学研究院 環境デザイン部門 教授 大井尚行

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