研究・産学官民連携

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研究情報

芸術工学研究院 研究紹介

医療・介護予防 with Game!-シリアスゲームプロジェクトの挑戦-

■活動概要

 産学官の連携によりスタートしたシリアスゲームプロジェクトでは、2009年から主に高齢者向けリハビリ・ヘルスケアを支援するシリアスゲームの研究開発に着手し、病院や介護施設との密な連携による効果検証と合わせて医療・福祉分野へのゲーム応用の可能性を示す研究開発を行っています。
 本プロジェクトで開発したプロトタイプをもとに制作され、株式会社メディカ出版より2013年3月に販売が開始された「リハビリウム起立くん」は、リハビリの基礎である起立運動を支援するゲームとなっており、回復期のリハビリから日常的な下肢筋力の維持まで幅広い対象者に利用ができます。共同で制作を行った長尾病院とともに、施設側・利用者両方の使いやすさについて試行錯誤を繰り返し、有用性や安全性についての検証も行いました。ゲームの苦手な人であってもやることは立ち座りをするのみであるため簡単に行うことができ、また見守り程度の労力で利用者がどんどん自発的に起立訓練を行うことから、現在導入をしている全国約40の施設からは高い評価を得ています。
 これらの成果や活動をもとに、医療系学会や、ゲーム開発者会議、介護系イベントなどで継続的に発表しています。メディアでも多く取り上げてもらい、これまで交わらなかったゲーム分野と医療・福祉その他の業界に、ゲーム利用の可能性を示していくという「ゲーム+医療福祉」の啓発活動において大きな成果を感じています。

 

施設向けに商品化された『リハビリウム 起立くん』

イベント等でのブース出展「アラカンフェスタ2015」

 

海外での研究発表「Games for Health Europe 2014(オランダ)」

■今後の展望
 現在は科研費による研究課題として、ロコモティブシンドローム対策として日本整形外科学会が推奨する開眼片足立ちをゲームにした「ロコモでバラミンゴ」や、脳卒中の後遺症である半側空間無視のリハビリ用ゲームなどの制作もすすめています。これまでにエンターテインメントのゲーム業界で培われた「わかりやすい」「熱中させる」「やめられないとまらない」といった人を引きつけるテクニックが医療・福祉の分野でより普通に利用されていくために、今後もプロジェクトでは完成度の高いプロトの制作、医療現場のプロフェッショナルとの連携による検証結果の提示を続け、活動していきます。
 また、昨年末から大橋キャンパスで高齢者を対象としたワークショップ「ロコモ運動サークル」を継続的に開催しており、楽しく活動をしております。今後もゲームコンテンツに加え、これらを利用する場作りにも積極的に取り組んで行く予定です。
 これらを合わせて、高齢者が可能なかぎり長く自立して生活可能な、豊かで健康的な社会の実現に寄与していきたいと考えています。

 

ロコモ対策支援ゲーム『ロコモでバラミンゴ』

 

キャンパスで継続的に開催中のワークショップ「ロコモ運動サークル」

【お問い合わせ】大学院芸術工学研究院 准教授 松隈浩之

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