Research 研究・産学官民連携

テレビやスクリーンの枠を超える「拡張映像」をデザインする

芸術工学研究院 研究紹介

テレビやスクリーンの枠を超える「拡張映像」をデザインする

芸術工学研究院 メディアデザイン部門
准教授 石井達郎

拡張映像の効果的表現に関する研究

 「拡張映像表現」とは、プロジェクションマッピングをはじめとする、モニタやスクリーンなど本来の映像提示の枠を超えた表現手法です。最近では拡張映像表現が多用されており、映像提示空間内の鑑賞者に驚きや感動を与えます。同時に効果的な拡張映像表現に関する研究が重要であると考えています。

 本研究では、唐津市の唐津城プロジェクションマッピング、福岡県の貴賓館プロジェクションマッピングといった、官公庁との共同研究などによるプロジェクションマッピングの制作、大規模な上映イベントの実施をとおして、拡張映像の効果的な表現手法について実践的な研究を行っています。

 また、国指定の無形文化財(神楽)を対象として、立体映像記録したものを壁、床、天井と多面提示して、パフォーマンスが行われている実際の現場を見ているような臨場感を創出するための拡張立体映像表現についての研究も行っています。

唐津城プロジェクションマッピング(唐津市)

貴賓館プロジェクションマッピング(福岡県)

神楽の立体映像記録

神楽の立体映像多面提示実験の様子

展示映像のアーカイブと再現に関する研究

 また、拡張映像表現研究の一環として、「展示映像総合アーカイブセンター」のメンバーとして研究活動を行っています。展示映像とは博覧会や展示会、博物館等のために制作・上映された特殊な映像の総称です。展示映像の多くは上映期間が終了しても保存されることがほとんどなく、いつしか破棄されたり散逸してしまうという現状にあります。これらの貴重な映像コンテンツを収集しアーカイブするために本センターを設立しました。

 本研究では、収集した映像素材をデジタル化するだけでなく、当時の展示空間を含めた映像提示の状況を再現するための効果的な表現について研究を行っています。

つくば科学万博歴史館(1985)* 

つくば科学万博みどり館(1985)*

*Copyright © 2021 Exhibition Video Comprehensive Archive Center. All rights reserved
一般社団法人 展示映像総合アーカイブセンター  https://acipe-archive.jp/

 

 ヘッドマウントディスプレイを用いた映像表現研究も行いますが、基本的には、不特定多数の鑑賞者が、目を覆う巨大かつ高解像度な映像提示空間の中で、感動を共有するための効果的な表現法が何かを追求しています。

■お問合せ先

芸術工学研究院 メディアデザイン部門
准教授 石井達郎