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梶山総長 年頭の挨拶(2005年1月1日)

 新年明けましてお目出度うございます。

 教職員の皆さん、“変革し飛躍する九州大学”の運営・経営、教育・研究の拠点構築、大学構造改革にご協力、ご支援いただき感謝致します。

 平成16年は、国立大学九州大学が法人組織としての運営・経営体制を確立し、国立大学法人九州大学としてテイクオフした年でした。平成17年度は、第1期中期目標・計画の2年目となり、その実行と具現化、さらに、九州大学の特色を発揮した拠点大学作りが要求される年であります。

 九州大学の教職員の皆さんがこの1年間に経験されましたように、国立大学法人の大学運営・経営あるいは大学組織・構造は、国立大学時代とは大きく異なっております。国立大学法人の基本理念である「個性輝く大学作り」、「民間的発想による大学運営・経営」及び「中期目標・計画の提示・遂行と事後評価」を、大学の将来構想の実現に有効活用することが求められており、それは、大学構成員の協力と支援無くしては全く不可能なことです。大学構造改革は、制度・組織改革と、構成員の意識改革が、調和的かつ共生的に働いて初めて成功するものです。つまり、大学構造改革の成功は、大学構成員の意識改革に非常に大きく依存しているのです。

 意識改革は、大学情報の共有化と大学の将来構想を理解することから始まり、それが日本の高等教育界における九州大学の置かれている状況と立場を知ることにつながり、さらには、九州大学の教育・研究に於ける卓越した分野・領域の認知と弱点を理解することへと続かなければなりません。九州大学を世界レベルの中核的教育・研究拠点とする道程は、まず、構成員の皆さんが、大学から何をしてもらえるかでなく、大学に対して何をすることができるかを考え、積極的に行動することから始まることを、ご理解いただきたいのです。国立大学法人化で何が変わったかでなく、何を変えなくてはいけないのか、九州大学構成員の皆さんが自分自身で考え、答えを導き出していただきたいのです。

 新キャンパス作りは、国立大学法人化と共に、九州大学の最重要課題の一つです。平成17年10月には工学系が新キャンパスへ移転を開始し、平成18年度に工学系の移転を完了します。

 昨年、新キャンパスへの移転スケジュールを見直し、移転スタートから10年間としていたものを15年間に変更致しました。その主な理由は、平成17年度の国家予算の内容からもご理解いただけるように、国家財政の緊縮による財源確保の問題と、第Ⅱ工区の北部谷部の現状保存と丘陵部の削平、それに伴う残土搬出などによる造成工事の延伸によるものです。移転財源については、担当教職員による関係省庁との粘り強い交渉と、地方行政及び経済界のご理解により、概ね目処がたち、移転期間を最長15年間と決定することができました。キャンパス周辺の都市インフラ整備の進行状況や、九州大学学術研究都市構想の準備状況から判断すると、この変更によって、移転計画はより現実的なものになったと考えています。

 各部局の新キャンパスへの移転のための経費は、文部科学省から全て保証・支援されるものではなく、そのかなりの割合を運営費交付金の中から九州大学自身が工面しなくてはなりません。特に教育・研究への影響をできるだけ避け、九州大学構成員の教育・研究活動が低下しないよう、新キャンパスへの移転のための財源確保の方策を執行部で徹底的に議論しています。運営費交付金の内、教育・研究のための経費が構成員に配分される仕組みと九州大学の財政事情をご理解いただくために、私と大学構造改革担当理事及び財務部主計担当者が1月中に各部局にうかがい、教職員の皆さんに直接説明することにしています。

 九州大学は世界レベルの教育・研究拠点大学として、1911年の設立以来94年間の歴史の中で、人文・社会・自然・生医学分野で数々の世界に冠たる業績を残してきました。今後も日本の基幹大学の一つとして先端的、独創的、創造的かつ社会的波及効果の大きな教育・研究業績を挙げ、社会に情報発信することが九州大学の責務であると考えています。

 これからの大学評価は、教育・研究に関する質の平均値の高さだけでなく、卓越した教育・研究拠点、つまり、ピークの数が問われ、大学ランキングが決まってきます。大学ランキングが、今後の競争的資金の採択件数や外部資金の獲得額に徐々に影響してくることを、大学の構成員は理解しておく必要があります。大学の活動に対する世間での風評が、個々の構成員の外部資金獲得状況、最終的には大学全体の財政状況に影響を与えることは、紛れもない事実なのです。

 教育・研究の顕著な活動→質の高い研究成果とその量の多さ→外部資金獲得状況の改善→教育・研究活動のスパイラルアップという連環に於いて、九州大学が良循環を達成するか、あるいは悪循環に陥るかは、大学構成員個々の活動の集合体としての総合力と、大学組織体としての展開力に強く関わっています。九州大学が構成員の集合体あるいは組織体として、教育・研究活動に高いレベルの良循環を持続させるためには、10~20年後を見据えた教育・研究の拠点構築が不可欠となります。

 大学の拠点構築は、研究者個々と研究組織体との二つに分けて考えることが必要です。将来、九州大学あるいは日本を背負って立つ若手研究者に対する九州大学の積極的な支援として、昨年11月に「研究スーパースター支援プログラム -4+2+4アクションプランの実行-※1」を開始しました。また、組織体としての将来の教育・研究拠点作りのために、「戦略的研究拠点構築」プログラムを、今春より実行致します。前述しましたように、これらのプログラムは10~20年後の九州大学の拠点作りとしての先行投資であること、すなわち、教育・研究面での良循環体制構築に向けた九州大学の教育・研究戦略であることをご理解いただきたいと思います。優秀な学生はもちろん、卓越した教育・研究業績を継続的に発信し続ける人材が、希望を持って集合する大学を作ろうではありませんか。

 九州大学が持続的に「変革し飛躍する大学」であることと、教職員の皆様の質と量において卓越した活動を期待して、新春のご挨拶と致します。

平成17年1月1日
九州大学総長 梶山千里

 

平成17年(平成17年度)に九州大学が着手あるいは遂行すべき重要事項を掲載しておきます。閲覧希望者はこちらをクリックして下さい。

※1 九州大学ホームページ、総長室(総長メッセージ集)の「研究スーパースター支援プログラム-4+2+4 アクションプランの実行-」参照

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