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梶山総長 年頭の挨拶(2008年1月1日)

 新年明けましておめでとうございます。

 九州大学は、最近の5年間に、過去に経験したことのない大きな変化と変革を経験し、新しい歴史の頁を開いています。平成15年10月の九州芸術工科大学との統合、平成16年4月1日の国立大学法人としてのスタート、平成17・18年度にわたる工学系の伊都キャンパスへの移転、さらに3年後の平成23年には創立百周年を迎えます。九州大学にとってこの激動の時期を、教育・研究・社会貢献・国際貢献の活動を継続させるだけでなくさらに飛躍させ、国内外の耳目を九州大学に集めて九州大学ブランドを確立するために、教職員一丸となって将来目標に立ち向かわなければなりません。

 平成20年度は、中期目標・中期計画の暫定評価を受ける年となります。第1期の中期目標・中期計画の暫定評価の結果は、平成22年4月から始まる中期目標・中期計画第2期目の運営費交付金の算定に反映されます。平成20年度は、第2期目の始まる1年半前とは言え、第2期中期計画をほぼ決定して平成20年10月より始まる次期執行部へ引き継がなくてはなりません。今後、現執行部及び各部局との密接な連携のもとに、総長特別補佐が中心となって、「継続して飛躍する九州大学」の将来構想に基づく第2期中期計画を取りまとめていくことになります。その意味でも、平成20年度も、4+2+4アクションプランの基本理念を堅持し、継続して、九州大学の教育・研究等の活動と歴史の継続性を目に見える形で社会に示す必要があります。

 平成20年度の九州大学の重点活動項目は、「次期中期目標・中期計画の策定」、「部局構成員による将来構想の共有」、「伊都キャンパスの充実と附属病院の再開発」、「教育グランドデザインの策定」と「未来型先端研究の推進」です。「次期中期目標・中期計画の策定」に関しては上述したとおりです。「部局構成員による将来構想の共有」は、部局将来構想の策定と実行のため、部局執行部と構成員が将来構想を共有するとともに、将来構想を間断なく実行・進展させることです。現在、約半分の部局で検討あるいは実行中のQUEST-MAP(Kyushu University Empowered Strategy Team -Mission, Action, Passion)とは、財務内容・業務運営・点検評価、教育・研究環境、及び学内外のステークホルダーなどの視点に立って部局活動を俯瞰し、各部局の活性化プランと将来構想を決定へと導くものです。QUEST-MAP策定の過程で、部局構成員による将来構想の共有が進み、かつ次期中期目標・中期計画を明確にすることができます。九州大学の全部局でQUEST-MAPを策定し、部局を活性化し、社会へその存在感を明確に示す時期に来ています。

 「伊都キャンパス」に関しては、平成21年4月より六本松キャンパスの教育・研究を伊都キャンパスで開始できるよう準備を進め、既に一部工事が始まっています。九州大学の新入生が、静かで緑豊かな、濃密な「知」の雰囲気の中で大学生活を始めるのに相応しい教育・研究の場の整備を間断なく行っていきます。教育・研究のための建物は勿論ですが、学生生活を充実させるための体育館、課外活動のための施設、厚生施設、ドミトリー等、従来の大学施設の概念を一変する、素晴らしい案ができています。センターゾーンの南側の多目的グランドには人工芝が張られるなど、目を見張る景観が遠からず出現するでしょう。「附属病院の再開発」は現在第3期目に入り、平成21年秋より使用を開始する外来診療棟の建設が進行中です。附属病院再開発と連動する形で、医学系地区の整備も今後検討することになります。

 「教育グランドデザイン」は、外部委員を含む策定チームで討議を重ねています。ほぼ100年間継続してきた分野縦割りの教育・研究組織は、必ずしも社会の必要とする人材育成に充分応えておらず、九州大学の「教育力」の向上と変革が社会から要求されています。そのため昨年は、カリフォルニアオフィスからの遠隔授業や大学院共通教育を通して、学生に「リーダーシップ」について深く考えるチャンスを与えてきました。また、「九州大学/ロバート・ファン/アントレプレナーシッププログラム(略称:QREP)」をカリフォルニア・シリコンバレーで実施し、九州大学の学生に現地で国際性を身に付けさせる教育活動も行ってきました。「教育グランドデザイン」とは、九州大学の教育将来構想であり、教育改革の基本理念です。その実現の第一歩として「統合新領域学府」と「インターナショナルカレッジ(国際学部)」構想を、文部科学省と相談しながら進めています。「統合新領域学府」には、「オートモーティブサイエンス専攻」、「感性学専攻」などを置くことを検討中です。これらの教育組織・制度改変に関しては、関係学府や他大学とも相談し、協力を得ながら進めていきます。社会が求めている社会を先導できる21世紀型人材を輩出し、国内外に九州大学の存在感を確立するためにも、新しい学部・大学院の教育組織を構築しなくてはなりません。

 「将来最先端研究の推進」として、先端融合COE、グローバルCOEなど多くの大型研究プロジェクトが各キャンパスで進行中です。さらに、九州大学では「エネルギー」と「環境」を重点分野として関係省庁や企業と連携して研究を進めていきます。石炭のクリーン化によるガス化・液化技術の開発、水素関連研究施設における研究の新展開、ITER(国際熱核融合実験炉)機構や日仏の大学・研究機関との連携による核融合分野の研究・人材育成など、九州大学キャンパスをエネルギーキャンパスと位置づけ、現代から50年先を見通した一貫したエネルギー開発研究を重点的に進めています。

 九州大学の教育・研究・社会貢献・国際貢献における成果が目に見える形で社会に還元されることと、それに基づく九州大学の存在感の確立が、今最も社会から求められています。教職員は九州大学に勤務することに、学生はそこで学ぶことに誇りが持てる九州大学の構築は、執行部の努力だけでは不可能です。地域、日本、世界で教育・研究・社会貢献・国際貢献で目覚ましい活動をし、世界に存在を示し得る九州大学構築に教職員全員が参加されることをお願いして、新春の挨拶といたします。

平成20年1月1日
九州大学総長 梶山 千里

 

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