平成10年度九州大学農学部附属農場公開講座を開催します


  
1.テーマ
    
農業と私達の食生活
−農産物の収穫と加工を体験し、食生活と農業の関わりについて考える−
  
2.講座の内容
    
 農業は家畜や作物等の有用生物と人間の共生(互いがいないと生きていけない)と言え、人間の最も基本的な営みです。農業の発達は様々な文明を生み、より多くの人間が生存することを可能にしてきました。
 特に、二十世紀における近代農業の発達は、それ以前の十倍もの人口を支えています。文明は様々な職業の分業化・専業化を生みました。近代農業においてはその傾向が特に顕著で、単一な家畜や作物を専門とする(たとえば乳牛専業やミカン専業)農家がほとんどです。このために農家の子弟であっても農業に接する機会は著しく限られたものとなっています。
 現代文明の発展と人口増加は、一方では急激な環境汚染や環境変異を招き、農業もその一翼を担ってきたことは否定できません。また、高度に経済の発達した日本では食料自給率の極端な低下と就農人口の減少が顕著で、永続的な食料確保が疑問視されています。現 在、九州大学農学部附属農場ではこの様な環境汚染、環境変異そして近い将来に訪れる世界的な食料不足を視野に入れた環境保全型農業に関する諸研究を行っています。
 この公開講座は、特に、農業生物に接する機会のほとんどない若い人が、家畜や作物との生活を泊込みで体験し、実際に食品の製造と試食をすることによって、農業と私達の食生活とのかかわりについて考えることを目的としています。
 講座は食料問題に関する研究の紹介と講義からスタートし、大豆の収穫と豆腐作り、搾乳と乳牛管理、畜産物加工、果樹の管理・収穫・品質調査を行います。
 研究紹介と講義は九州大学附属農場の各分野で取り組んでいる研究のトピックを解説します。
 大豆の収穫と豆腐作りでは大豆の栽培と加工利用法の一端について学びます。畜産では、搾乳、給餌、乳牛の手入れを行い、鶏肉加工やソフトクリームの製造に挑戦します。また、果樹ではモモ類の収穫や品質評価を通して果樹栽培の一端を体験します。
 最後に、講座を受講しての感想を基に総括を行います。
 なお、夜にはビデオやインターネットによる学習、教職員との懇談、自分たちで食事を作る計画も組まれています。
  
3.開催期日
    
平成10年7月22日(水)〜平成10年7月24日(金)(2泊3日の合宿形式)

実  施  日  程
  
4.受講対象者
    
高校生、大学生、若い社会人(30才代まで)
募集人員24名 (応募者多数の場合は抽選)
  
5.受講費用
    
12,000円(受講料、宿泊料、食費込み)
  
6. 修了証書
    
所定の時間受講された方に修了証書が授与されます。
  
7.応募要領
    
 往復はがきに住所、氏名、年齢、性別、高校名、大学名、職業、電話番号、公開講座を受講したい理由を記入し、7月6日(月)までにお申し込み下さい。
  
8.応募先
    
〒811-2307 粕屋郡粕屋町原町111
九州大学農学部附属農場庶務掛
TEL 092-612-2862
FAX 092-612-2872