仁科記念賞を受賞
物理学の分野で優れた業績を挙げた研究者に贈られる仁科記念賞を,理学研究科の井上 研三教授が受賞しました。受賞の対象となった研究は,「超対称標準理論における電弱対 称性の量子的破れ」で角籐亮近畿大学教授との共同受賞です。この研究は,素粒子の世界の二つの基本的な対称性である,ゲージ対称性(力の特性を 規定する)と超対称性(ものの存在形態を規定する)の,それぞれの破れが相互に繋がる メカニズムを明らかにしたものです。それに基づくと,当時(1982年)未発見であった基 本素粒子の一つのトップクォークは,当時の通説より遥かに重たくなければなりませんが, トップクォークは1994年になってこの理論の予言する質量の領域の中で発見されました。