燃える夏!! 九 大 優 勝

 北海道大学,東北大学,東京大学,名古屋大学,京都大学,大阪大学そして九州大学の旧帝国大学の七大学から約 6,000名が参加し,九州大学が主管校となって福岡を中心に開催された「第37回国立七大学総合体育大会」が,大方の予想を覆し,九州大学の総合優勝で閉幕しました。これは,前回最下位からの快挙です。8月10日(月)に開催された閉会式では,大会会長である杉岡総長から九州大学へ優勝旗が授与されました。
 また,開会式の開催された7月18日(土)には,本大会恒例の市中パレードと各大学応援団による演武披露が,炎天下の市庁舎前「ふれあい広場」で行なわれました。
 以下は,大会委員長 山本直也君の市中パレードと開会式を終えての感慨,男女とも連覇を果たした剣道部女子主将 大西真紀子さんによる参戦記,そして各大学応援団の熱気を伝える写真です。おめでとう!ご苦労様!


パレード,そして開会式を迎えて

 昨年7月の第三土曜日(総長方が一堂に会される都合上,この日を開会式とすることが慣例となっている),私は北海道にいた。第36回七大戦パレード,及び開会式の視察のためである。私の感想を言わせてもらえば,それはやはり,学生の力を結集したすばらしいものであった,とその時点では感じたし,もちろん今でもその気持ちは変わらない。まあ,次回大会の指揮者として北大の実行委員会の幹部とも交流があったし,まだまだ未熟ながら少しは運営をかじった者として,パレードを企画・運営することの難しさを理解していたためであろう,私の中では満点の採点をしていた。しかし,そのような私の独り善がりの大甘採点を根底から覆されるような事件が起きた。それが知る人ぞ知る「北大大会レセプション事件」である。

 毎年レセプションでは総長方によるスピーチが恒例となっているが,この場で,ある大学の総長先生がパレード・開会式について,「人に見せられるようなモンじゃない」とまで酷評されたのである。無論会場は一瞬静まり返ったのだが,ここが和をもって貴しとする日本人の性質であろうか,すぐさま笑いに包まれることとなった。が,そうは言っても来賓の方々はいざ知らず,学生は顔で笑っていてもはらわたは煮えくり返っていた。正直なところ,私もその時はそのような気持ちに支配されていたことを告白しなければならないが,しかしそれ以来,私は北大における開会式・パレードを批判的にとらえ直すようになった。ここではそのプロセスを詳細に記述することは差し控えるが,いくつか挙げるなら次のようなことである。ご存知のとおり,本大会は学生による企画・運営を基調としているが,それに甘え,あまりに学生的視点・感覚でものごとを判断し過ぎていないか,それによって人的・物的規模の割に学生にしか理解できない,言い換えれば内輪の学生にしかアピールできていない内容の薄いものになっていはしないか,と。こうして様々な再検討を進めていくうちに,「誰がためのパレードか,開会式か」ということに思い至ったのである。

 まずパレードであるが,これは各都市の交通の要衝であるメイン通りをせき止めて行っているのであるから,否応なく公共性を帯びていると言わなければならない。よって断じて学生のためのものではない,市民のためのものであるという方向性を打ち出さなければならないと考えた。よって,今回は市民的行事であるアジア陸上の情宣など福岡市とのタイアップを図った(多分に偶然的要素はあったが)。また,開会式はどうか。それはやはり,開会式に参加する人達のためのものであるべきだ。北大大会での野外開会式という発想は,北海道という土地柄を生かした確かにすばらしいものではあった。しかし,日差しの中での長時間の儀式は,参加者のためを考えているとは言い難いであろう。よって今回は削るところを削ってスリム化を図った。しかし厳粛なだけの儀式というものもつまらないという学生的発想も加えようという気持ちから,少々スパイスを利かせるような,見苦しいとも受け取られる点もあったが,決して悪意からではないのでご容赦願いたい。

 ともあれ,無事パレードも開会式も終了し,懸案の前出総長先生からのスピーチも「多少の進歩はあった」との評価を頂き,私自身これまでのところは万事順調との念を深くしている。まずは全日程が無事終了することが第一だが,それに九大の総合優勝が加われば言うこと無しである。選手諸君の健闘を祈る。

七大戦実行委員長  
山本 直也


写真の説明
暑さの中,パレードは中州の西大橋にかかる