過去を克服し,明日を開こう

〜金 鍾泌 韓国国務総理が本学で講演〜

 金 鍾泌(KIM JONG−PIL)大韓民国国務総理が,11月30日(月)本学を訪れ,「韓日関係の過去と未来」と題して日本語で講演し,本学は名誉博士号を授与しました。


金総理講演風景

 この講演会は,金国務総理が新しい日韓関係の担い手である若者に日本語で直接語りかけたいと決断して実現しました。
 小雨の中,本学に到着した金総理と洪外交通商部長官,金海洋水産部長官,金駐日大使,徐駐福岡総領事など一行は,杉岡総長から事務局玄関の模型で,新キャンパス構想の説明を受けた後,貴賓室で杉岡総長,矢田副学長,柴田副学長など本学側関係者と懇談しました。
 続いて学生や教職員の拍手の中,講演会場の50周年記念講堂に入ると,九州大学フィルハーモニーオーケストラがグリンカ作曲「歌劇ルスランとリュドミラ序曲」を演奏して歓迎しました。

名誉博士号を授与

「日本の知識人の皆さん,そして若い皆さん」

 金総理は45分間にわたって,抑揚ある力強い調子で,「両国関係を未来志向的に発展させ,近くて近い隣人となりましょう」などと呼びかけ,講堂を埋めた本学学生,教職員約1,500名に,深い感銘を与えました。
 講演の後,杉岡総長から名誉博士の学位を授与された金総理は,受け取った学位記を聴衆に向かって高く掲げ「これから私は名誉ある九州大学の同胞です。良好な韓日関係は,アジアのみならず世界繁栄の鍵であり,これを築くことは,若者である皆さんの課題です。九州大学学生の皆さんの関心と情熱を目の当たりにして,明るい未来が築かれることを確信しています。」と挨拶し,再び大きな拍手を浴びました。
 韓国首脳の日本語による講演はきわめて異例で,本学での講演の模様は,新しい日韓関係の始まりを象徴する出来事として,マスコミでも大きく報じられました。

模型で説明を受ける金総理

写真の説明

(写真上)金総理の語りかけるような日本語が,学生・教職員1,500名が聞き入る講堂に響く
(写真中)本学の名誉博士号授与は金総理で5人目,政治家としては初めてとなった
(写真下)事務局玄関の模型で杉岡総長から新キャンパス構想の説明を受ける金総理