学生の声

 金 銀娥さんと上田 恵美さんは,それぞれ九大に学ぶ韓日学生の代表として,学位授与の後,金総理に花束を贈呈しました。


金  銀娥(キム・ウン・ア)
 工学研究科修士2年

金 銀娥さん  ぎっしりと人で埋め尽くされた講堂,そこに入ろうと行列を作っている人たち。
 そうだ。今日は政治家として有名な金 鍾泌大韓民国国務総理が九州大学で講演を行う日である。その中で私も講演を聞くため,また花束を渡すという役割で最前列の席に座った。そして講演が始まると,金 鍾泌総理の上手な日本語とユーモラスな言葉に人々はいつの間にか魅了されていった。
 講演は韓日関係の過去と未来の課題や,アジア地域の経済危機の克服等についてなされた。その中でも「両国関係を未来志向的に発展させ,両国民がともに手を取り,近くて遠い隣人ではなく近くて近い隣人を作らなければならない」という話が印象に残っている。
 今は両国の経済について悲観的な見解が多いが,金 鍾泌総理がおっしゃったように両国が相互に協力し努力すれば,経済危機を乗り越えられるのではないだろうかと思う。
 講演後,金 鍾泌総理は九州大学の名誉博士号を授与された。その時,私は九州大学で学んでいることを嬉しく思い,また誇りに感じた。

 

上田 恵美
 法学部3年

上田 恵美  金鍾泌国務総理は,韓日関係の過去と未来について,両国の交流は1500年に及ぶこと,辛い過去にこだわるより未来志向的に両国関係を発展させるべきことを日本語で語られました。
 日本語で話されたのは,日本の中で最もアジア諸国と交流のあるここ九州の若者達に韓国と日本の友好・協力関係構築の大切さを直に語られたかったからだと思います。
 私が花束を手渡したとき,金国務総理は優しく微笑んでくださいました。そして,韓国と日本の友好関係構築のため尽力されてきたその笑顔には,深いシワが刻まれていました。
 金国務総理の努力に応えるためにも,21世紀を担う私たちは,日本と韓国ひいてはアジアの発展のため,持てる力を発揮していかなければならないと思いました。