癌に挑む最新治療法
骨・軟部悪性腫瘍に対する患肢温存手術
医学部教授 岩本 幸英四肢発生の悪性骨軟部腫瘍に対する手術法として,以前はもっぱら切断が行われていましたが,現在では制癌剤や放射線による局所コントロールの向上,画像診断の発達による腫瘍進展範囲の的確な把握,手術法の発達などにより,ほとんどの症例で患肢温存手術が可能になっています。例えば,私が過去10年間に手術を行った悪性軟部腫瘍の患者さんのうち,患肢温存例は実に全体の96%にも及んでいます。しかも,患肢温存手術を行ったからといって,切断よりも生命的予後が悪くなることはありません。
今後の検討課題として,放射線,温熱療法,制癌剤などをうまく効かせることにより,いかに切除範囲を狭めてより優れた患肢機能を温存するか,という問題が残されています。
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