癌に挑む最新治療法
造血幹細胞移植
医学部教授 仁保 喜之白血病や悪性リンパ腫などの悪性腫瘍に対する根治療法として,造血幹細胞移植が実施されている。造血幹肝細胞移植は,輸注する幹細胞によって,骨髄移植,末梢血幹細胞移植,及び臍帯血移植に分けられ,同胞や非血縁者の幹細胞を用いた同種移植と,寛解期の自己の幹細胞を用いた自家(己)移植に区別される(表1)。
医学部第一内科及び関連施設における研究の特徴は,造血器腫瘍に対する自己末梢血幹細胞移植を用いた積極的な取り組みである。その結果,極めて良好な治療成績が得られ(図1),国内外でも興味深い研究グループとして注目されている。さらに,細胞療法への新たな展開を目指して研究が続けられている。
表1 造血幹細胞移植 T.同種移植 U.自己(乙)移植 1.同種骨髄移植 1.自家骨髄移植 2.同種末梢血幹細胞移植 2.自己末梢血幹細胞移植 3.臍帯血移植