癌に挑む最新治療法

抗癌剤排出トランスポーターと癌血管新生


医学部教授 桑野 信彦
 

 癌患者の多くに抗癌剤が効きにくい耐性癌が出現しており,治療の上で難問となっている。”耐性癌”の出現に関与する分子標的を明らかにすることは,適切な薬の選択や耐性克服の上で極めて大切である。我々の研究室では,多くの種類の抗癌剤のATP依存性排出トランスポーターP-糖蛋白やcMOATに注目し,悪制癌での発現機構やいずれの抗癌剤の排出を担っているかを明らかにする仕事を進めている。

 さらに耐性癌に有効ではないかと考え,癌血管新生を標的とした”兵糧責め療法”の基礎研究を進めている。