思い出の学舎を後に・・・
文学部に学んで
文学部 結城 ルミ子
「文学部は人間の魂(こころ)とその所産を扱う学問の場であり,その学問を通して真に人間の理解を目指していくところ」という言葉に惹かれ,入学した日から,もう4年が過ぎました。
私にとって,この4年間はよく学び,よく踊った日々といえます。伝統ある舞踏研究部に所属し,競技ダンスの神髄に触れ,心身ともに鍛えられました。文字どおり,苦楽を共にした仲間や,活動を通して得た様々な経験は,他に代え難いものです。特に,常に集団の中での自分をとらえる視点を持つことや,物事を深く考えることの大切さを知る経験ができたことは,これから社会に出るにあたり大いに役立つことと思います。
よく学び,といっても,語学の勉強は中途半端に終わってしまい,反省しています。留学生も多く,国際交流も盛んな環境で学んだにもかかわらず,十分に活用できなかったことは,自分の努力不足だといえます。
文学部は,確かに現実社会にとって即戦力となる人材を養成する場ではありませんが,全ての学問の基盤となる普遍的な要素を含んだ大切な学部であり,このような基礎があってこそ,応用ができると思います。ここは,生涯を通して問い続けられるような何かを見つけられるところです。私にとっては,それが言語学であり,他の人にとっては文学であり,心理学であるでしょう。発表形式の辛い授業も,わかるおもしろさ,研究の奥深さを感じるときがあったからこそ,続けられたと思います。いつも興味深い授業をして下さった先生方には尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。
この4年間は,自分自身の核となるもの−どのように生きていくか,何を目指すのかといった,人の魂(こころ)に深く根ざしているもの−について,しっかり考えることができた日々であり,このような恵まれた場で学ぶという貴重な経験ができたことを,私はとても嬉しく,かつ誇りに思っています。