私は農学部４回生のとき，九州大学の交換留学制度により，豪州のクイーンズランド大学に１年間留学しました。海外旅行もしたことがなかった私が，どうして留学に興味を持つようになったのか。それは，九州大学での留学生との交流が大きいと思います。
２年前，九州大学の留学生センターで開講されていたＪＴＷの授業の中から，自分の専門分野である「農業と環境」を選択して，英語による授業を初めて体験しました。この授業の内容は以前自分が日本語で学んだ分野であり，「留学生たちに説明したい」という意気込みで望むことができました。自分のたどたどしい英語での説明を，熱心に辛抱強く聞いてくれたＪＴＷ生たちの眼差しを，今でもはっきりと思い出します。自分も，違った背景を持つ人々と議論し，解決策を模索することの意義を強く感じることができました。
はじめての海外となった豪州での大学生活は，英語での授業に苦労しましたが，ＴＡ（ティーチングアシスタント：大学院生による補助演習，講義）制度が充実しており，本当に助かりました。大学の講義中に活発な議論が始まることがあり，教授と対等に話し合っている学生達の問題意識の高さには感心させられました。
私は，オーストラリアの農業や埋蔵地下資源の開発計画などの専門分野のほかに，ジャーナリズムなども受講しました。そのとき，日本は良い面，悪い面の両方でいろいろな分野に登場し，私は誇らしく思うこともあれば，誤解をされていると感じるときもありました。いずれにしても，私自身日本に関する正確な知識と英語による表現力が必要だ，と感じたものです。
また生活の面では，私たち留学生のために論文の書き方や街の交通事情などを丁寧に教えてくれる無料サービスを，大学の学生組合が提供してくれました。
１年間はあっという間に過ぎましたが，ＪＴＷや豪州の友人達とは，ずっと手紙やＥ-mailで交流を続けたいと思っています。
私の話を読んで，留学に興味を持ってくれる人が増えたらよいと考えています。