公開講座が変わります
本学では,学内に蓄積された知的財産を市民へ還元するという理念から,昭和53年度に公開講座を開設し,以来20年,市民とともに歩んできました。
人々の生涯学習への意欲は年々高まり,しかも,内容は多様化,高度化してきています。また,大学の置かれた立場も,この数年急激に変化し,「個性的な目的・特徴を持ち,独自の存在意義を持ちながら教育研究を展開していくことによって,大学全体として,社会の多様な要請に応えること」(平成10年10月大学審議会答申)が期待されるようになりました。
この節目の20年を期に,本年度から,本学の総合大学としての特徴をよりよく生かした講座を新たに開設し,社会に一層の貢献をすることを目標とすることにしました。つまり,本学は大学院重点化大学を目指す総合大学として,研究と教育の総合性,学際性,先端性及び専門性を発展させることを目指していますが,同時に様々な分野にわたる第一級の講師陣が市民と積極的に触れ合い,共に考えることによって,21世紀に向けての生涯学習の新しい息吹を生み出したいと考えています。
平成11年度は,下記の2講座を新たに準備いたしました。多くの方々の受講をお待ちしています。
学際領域講座
遺跡から自然と社会を探る
先端領域講座
- 1.講座の概要
- 遺跡とは,人間の過去の営みが現在に残されたものである。人間の営みは自然と社会に密接に関係し,有機的に関連している。遺跡はまた,自然と社会の歴史をも雄弁に物語っているのである。
- 本講座では,その遺跡から自然や社会と人間の関わりについて考えてみたい。考古学や歴史学のみならず,人類学,生物学,地質学から学際研究の最先端の成果を紹介し,さらには都市工学の立場から,遺跡と現代都市との関わりを考える。
- 2.開催日時
- 8月21日(土)〜10月23日(土)の間の毎土曜日
- 14:00〜16:30 10回
- 3.講 師
- 田中 良之(比),鹿島 薫(理),
- 下山 正一(理),溝口 孝司(比),
- 中橋 孝博(比),西谷 正(文),
- 宮本 一夫(文),小池 裕子(比),
- 出口 敦(人),佐伯 弘次(文)
人間を考える
- 1.講座の概要
- この宇宙に地球が出現して,わずか5億年でその地球上に原始生命が誕生したのに対し,原始生命から進化してヒトが出現するまでには,40億年という時間を必要としたと推測されている。
- 我々人間を生んだ宇宙とは一体どのようなものであるのか,そして地球上にヒトが出現するまでの生物の進化とは,一体何に依存した進化であったのか。
- 40億年という永い年月,絶えることなく連綿と続いてきた遺伝子とは,一体どのようなものであるのか。そもそも生物としてのヒトを考えるとき,生物の持つ特性・属性とは一体どのようなものであるのか。
- そして,他の生物とは異なって大脳を著しく進化させ,死の必然を認識し,自と他とを峻別するヒトの大脳とはどのようなものなのか。DNAに刻まれた遺伝情報だけではなく,体外に永々と蓄積してきた文化遺産なしには,もはや生存さえも危ういこの人間とは,一体何なのか。
- 宇宙物理学,分子生命科学,進化学,脳神経科学などの分野の先端的研究成果を総合して,哲学者と共に,我々自身,人間について考えてみよう。
- 2.開催日時
- 10月30日(土)〜12月18日(土)の間の毎土曜日
- 14:00〜16:30 8回
- 3.講 師
- 高岡宣雄(理),巖佐 庸(理),林 健志(遺),堀 哲郎(医),
- 矢原徹一(理),笹月健彦(生医),松尾 正(医病),圓谷裕二(文)
受講対象 職業人,高校生,大学生及び市民一般 募集人員・受講料 1講座100名 8,500円 申込方法・申込先 往復ハガキに,希望する講座の名称,住所,氏名,性別,年齢,職業,電話番号を記入。
九州大学総務部研究協力課
〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1申込締切 【遺跡から自然と社会を探る】 7月30日(金) 【人間を考える】 8月31日(火)