木彫り「アジアの女」
工学研究科にて,
左から尾崎工学研究科長,河島正治氏,太田前工学部長「アジアの女」は,故九州大学名誉教授河島祐男(かわしま すけを)先生の御遺族が,工学部の思い出にと御寄贈いただいた木彫作品です。
先生は,大変気さくで,ユーモアのある航空工学の碩学であられたので,多くの専門外の研究者が,先生との親交を享受できました。私(土木工学)もその一人で,大学院生の時から先生の研究室に押しかけ,研究の進め方,様々な人生問題,果ては釣りの手ほどきをしていただくなど,私のかけがえのない恩師でありました。
御子息の河島正治(かわしま まさはる)氏(日本道路公団,九大土木卒)が,御葬儀のあとに,「工学部に父の思い出になるものを」と私(当時工学部長)のところへ相談に来られました。これからの大学,特に工学部にとっては,「自由と創造の心を育む文化の香りがとても大切になる」ということになり,地元福岡の彫刻家,竹中正基(たけなか まさもと)氏に依頼することになりました。御多忙中の竹中氏も,お兄様が本学工学部卒という御縁もあって,前述の趣旨に沿った作品の早期制作を快諾していただきました。竹中氏は,素材である楠の大木をシンガポールまで行かれて探し出され,現地で約1年間制作に専念され,平成11年2月22日,写真のような見事な作品を完成されました。
文責 太田 俊昭 おおた としあき
(都市環境システム工学専攻教授・前工学部長)
(注)故河島祐男名誉教授は,1940年九州帝国大学工学部航空工学科卒業,42年同大学院修了,工学博士。1954年から九州大学工学部教授,1978年退官後,九州産業大学教授,工学部長,理事及び学長代行を歴任。1997年12月30日死去。
木彫「アジアの女」