応用力学研究所長 高 橋   清


高橋  清 所長

 先生を訪れる研究者は国内は言うにおよばず洋の東西そして南北を問わず多数。高分子の高速破壊の権威で,実に色鮮やかな損傷模様が研究室を飾り,科学文化の華を目の当たりにすることができる。コンピュータグラフィックスという技術を通って力任せに咲き出たものとは,ひと味もふた味も違う現象そのものの色合いである。

 研究所には,行財政改革という時代の中で,その存在意義を社会に説明していくことが求められている。豊かな交流で培われてきた柔軟で幅広い視野から学術研究の意味を語っていただけると,そのかじ取りに研究所の期待も大きい。

 これまで,極めてユニークな実験方法の開発にも取り組んでこられ,この研究室でしかできない実験がある。最近も新しい歪み計測手法を開発された。そんなわけで,留学生や訪問研究員の再度の滞在研究希望が後を絶たず,多くを幾度となく呼んであげておられる。また,専攻主任教授の時には,就職希望の専攻院生全員を順番に部屋に呼んで模擬面接をされていた。本当に面倒見の良い先生である。

 最後に幾つか。うん十にしてスキーをマスター,愛煙家から嫌煙家に見事に変身,という決断の持ち主。そして,これに変心はない正真正銘の愛妻家。

(H.W.)