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概要

九大広報Vol.100

この4月に専用の建家ができて近くに集まることができたので、1年前よりはユニット間の協力は強くなっていますから、次の1年でさらに進展があると思います。――いずれ都市OSが完成したときに、福岡市ではどのような使われ方になるのでしょうか。高野:わかりやすい社会実装としては、都市OSを構築するベンチャー企業ができることだと思います。藤澤:このプロジェクトの期限は残り7年ですが、7年後に一気に都市OSができるわけではなくて、徐々に表に出していきます。COIプロジェクトの後期には、参画企業を中心にビジネス化を進めていくことになります。それも都市OS全体でというよりも、交通系、エネルギー系など、それぞれの系統ごとにビジネス化が進められていく形ですね。長谷川:技術的な可能性の部分と社会に受け入れられることの間には、随分と開きがあります。新技術を開発し、何かを作りだそうとする我々と、一般市民のみなさんとの間の合意形成は、一度ボタンをかけ違うと二度と戻らない状態になりかねません。実際に技術によって実 現される商 品やサービスを受け入れ、使うのは社会であり市民です。合意形成や信頼の問題について、誠実に進めるべきだと思います。社会実装していく上では、都市OSのメリットとデメリットをしっかりと開示して、こういうことをやりたいんだということを正直に見せていくことが大事ですね。藤澤:例えば、緊急避難といったシステムは合意が取りやすいですよね。そういうところで信頼を得て、平時でのサービスへの取っ掛りを得ることはできると思います。高野:キャンパスで実証実験データを取るにあたっても、プライバシーの問題は生じます。そこは、例えば学内でお買い物ができるポイントを付加するといったインセンティブを準備することはできると思います。インセンティブでデメリット部分を相殺することも可能だと思いますね。――さて、それではまとめに入りたいと思いますが、代表して藤澤先生にこのプロジェクトが目指すゴールと、若い人たちへのメッセージをお願いします。藤澤:このプロジェクトに参画されている若い人たちへのキャリアパスをどれだけ重視できるかがポイントになると思っています。このプロジェクト自体、多くの方が有期の雇用で働いていますし、学生さんは何年かすると大学を離れます。このプロジェクトも、あと7年やって成功というだけでなく、外部の企業と協力してビジネス化を進めていくわけですから、そこにプロジェクトの若い人たちが参画できる環境を作りたいですね。もちろん、参画企業に就職するとかベンチャーを立ち上げる形でもいいと思います。大事なことは、若い人たちのインセンティブをいかに上げていくかということです。これについては実際に具体的な計画を立てて今年度から行動しようとしています。逆にいうと、まだ7年ありますから、今から参画してくる若い人にも安心して自分のキャリアパスの一部にしてもらえるような環境を作っていきたいと考えています。今回の対談で少しでも興味をもっていただけたなら、ぜひ一緒にがんばりましょう!――今日は長い時間、ありがとうございました。これからも各ユニットの研究が発展し、プロジェクトとして新たな都市OSを創成していかれることを願っております。創刊100号記念特集② Front Runner Specialセンター・オブ・イノベーション(COI)プログラムCenter for Co-Evolutional Social Systems共進化社会システム創成拠点世界最新型の大型燃料電池IMIマシン(都市OS最適化のための最先端計算サーバー)ビッグセンサーボックスクリーンルーム(有機ELパネル駆動用酸化物TFT(薄膜トランジスタ)の作製風景)14 KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.10