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概要

九大広報Vol.100

なころ」は、文字を球体に投影させた立体的な3Dフォントで、文字の新しい表現と3D時代の新たなアプローチとして提案しています。 文字は、一般的に言葉を伝える道具としての価値を基準に使われていますが、私は道具としてではなく文字自体の質に着目し、文字の新しい表現を行いました。 「かなころ」は球体との相性が良く、丸みがあり一筆でかけるような特徴を持つひらがなで制作しており、球体に投影すると一筆でつながった複雑で不思議な形状になります。また、制作する上で3Dプリンターを用いており、データを共有することで他のユーザーでも印刷して楽しんだり、新しい3Dフォントを創出したりできます。 実際に手にとり、触って読むという行為は今までに無い体験で、様々な角度から眺めることで全く異なる表情をもつ面白い文字になりました。 この作品を作ったきっかけは、東京デザイナーズウィーク2014(以下TDW)に出展するためでした。芸術工学部から有志で集まった学生がチームを作り、空間、プロダクト、パンフレットに至るまで全て学生が制作し、さまざまな作品を展示しました。この「かなころ」は、東京に出展する直前まで作業し完成させました。3Dプリンターは便利ですが万能ではなく、ノウハウの塊で、仕上げるためには膨大な時間と作業を要します。それでもチームの協力があって乗り越えることができました。TDWのファイナリストに選ばれてから英語で行う2分間のプレゼン原稿を作り、会場で発表するまで2日間という短い期間でしたが、チームやさまざまな人の協力により無事完成し、グランプリを受賞することができました。ここまでこれたのも九州大学で身につけた知識や考え方、実際に制作するやりがい、協力してくれる人達の支えがあったからです。 受賞後、TDW運営事務局からイタリアのミラノで開催される世界最大規模のデザインイベント、ミラノサローネへの作品招待を受け、アルファベットを一部追加して出展し、外国人の方にも手にとっていただき、好評のようでした。「かなころ」「か 私は高校生の時、上手に絵を描く事など特にスキルを持っていなかったので、美術系に進学することがとても不安でした。それでも入学してから何ごとも諦めずに努力していれば、お互いに協力し、高め合う仲間たちに出会え、専門的な知識はもちろん、考え方などを学ぶことができます。これから受験を考えている人は、ぜひ頑張ってください。制作者からの一言 【お問い合わせ】E-mail:nonosuke00@gmail.comTOKYO DESIGNERS WEEK今年で30年目を迎える国際的なクリエイティブイベントで、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックなど優れた生活デザインとアートが世界中から集まります。未来に向かうこれからのデザインやアートの可能性を体験できるイベントで、業界関係者だけでなく、子どもから大人まで楽しくデザインやアートに触れる事ができます。溝部 洋平 みぞべ ようへい (芸術工学府 修士1年)記者会見レポートintroductionintroductionintroductionintroductionKYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.1031KYUSHU