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概要

九大広報Vol.100

が性に合います。さまざまな個性が集まる九州大学の調和を築き、基幹総合大学としての強みを発揮する。そんな〝オーケストラの指揮者?をめざそう、と。―― 総長は就任当初から「私は総長らしくない総長になるでしょう」とおっしゃっていましたね。確かに「オレについてこい」というタイプでなく、病院長時代も穏やかな人柄で知られていたとのこと。心療内科の医師として多くの患者さんと向き合ったご経験も大きいのですか。久保:患者さんからは「相手の話をよく聞くことの大事さ」など多くを学びました。その人らしくのびのびと自由に個性を発揮してほしいと思います。大きく踏み外さない限り、周りの人たちには自由にやってほしいのです。私自身が束縛されることが嫌な人間ですからね(笑)。ただ、「自由」と「放任」は違います。何事もバランスが大切ですね。―― 指揮体験では、総長が緊張するお 姿 も 楽しませていただき(笑)、失礼ながら「守ってあげたい」と周囲が思うタイプのリーダーだな、と感じました。そこがまた久保総長ならではのリーダーシップとも感じます。久保:敵は少ないタイプかもしれませんね。趣味の囲碁でも、私は圧勝するよりも5割ちょっとで勝ちたい、と思っています(笑)。さまざまなタイプの人が共存共栄している社会では、「ひとり勝ち」するよりも「ちょっとだけ勝つ」のがいいのではないでしょうか。ただ、リーダーは「優しさ」の背景に「厳しさ」が必要です。「厳しさ」がなければ「優しい」のではなく、ただ「甘い」だけになりますからね。私も自分自身が最終的には責任を取るという覚悟があります。囲碁でも、全体が読めてさえいれば、相手にどんどん攻めさせても負けることはありません。「これ以上は」という局面まで攻めさせて、ギリギリのところで厳しくするのです。その局面を見誤ると負けてしまいますが、全体の戦略をいかに磨いておけるかが大事です。創刊100号記念特集① 総長インタビュー04 KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.10