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概要

九大広報Vol.100

学生や教職員が時間と場所を共有して大きな喜びを感じる大学にしたい。創刊100号記念特集① 総長インタビュー考え方はとても重要です。人文社会科学系とひと言でいっても、歴史、文化、哲学、言語…さまざまな分野がありますが、現在の社会の課題、地球の課題に対する「指針」をもっと発信していってほしいと思います。「いも九」と呼ばれてもいいじゃないですか(笑)―― 総長は学生時代から現在まで、長年、九州大学を見ていらっしゃいますね。総長から見た九州大学のイメージはいかがですか。久保:自由でのびのびとしているというのが一番感じるところですかね。―― 「いも九」とも呼ばれますが(笑)。久保:いなかっぽい九大生という意味ですよね?ほのぼのしていいじゃないですか。私もおしゃれじゃないですし(一同爆笑)。―― そのお言葉、みんな励まされると思います(笑)。久保:ただ、よく言われるように、中央から離れている分、競争意識が弱いところはあると思います。私自身もそうですが、ちょっとのんびりしていますよね。一方で、アジアに近いというのは大きな強みです。福岡は、アジアの玄関口として昔からアジアとの交流が盛んな都市ですから、その強みは活かしていくべきだと思います。現に九州大学では、戦前からアジアの留学生を受け入れてきた歴史もありますからね。―― 競争意識の低さは確かにありますね。久保:現実的には大学の競争に打ち勝って予算を獲得していかなければなりませんし、より優秀な人材を集めなくてはなりません。ただ、それは私たちの役目ですから、先生方や学生のみなさんは、いい研究や学問を続け、さまざまな経験を通して自分自身を成長させることに集中していただきたいと思います。―― 総長は九州大学にどんな夢を描いていらっしゃいますか。久保:学生や教職員が時間と場所を共有して生活できることに対して、大きな喜びを感じるような大学にしたいと思っています。研究・教育に限らず、スポーツやさまざまな課外活動を通して学生と教職員が一体となること。その経験は、人間としての成長につながり、活動の成果を一般社会に還元していくエネルギーとなるはずです。そして、そういった体験を後輩たちに語り継ぎ、受け継いでいってくれたらうれしいですね。私自身も九州大学でたくさんのいい体験をさせていただいたので、それを若い世代にも伝えていきたいと思っています。また、世界のいたるところで争いが絶えませんし、貧富の差も激しいです。そういった問題に貢献できる人たちが育っていく大学にできたらと思います。―― では、総長ご自身の夢は何ですか。久保:当面の夢は、九州大学アクションプランをやり遂げることです。大きな夢としては、世界が自由で平和であればと願っています。―― 今 日 は 九 大フィルとの撮影を含めて、長い時間ありがとうございました。第23代 九州大学総長久保 千春06 KYUSHU UNIVERSITY Campus Magazine 2015.10