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13Kyushu University Campus Magazine_2010.5 本日、九州大学の各学部を卒業され、学士学位記を授与されました2,493名の皆さんに心からお祝いを申し上げます。 皆さんは、九州大学創立100周年を1年後に控えた第一世紀の締めくくりに当たる記念すべき時に、卒業されるわけであります。一方では、100年に一度と言われる世界同時不況という荒波の中での進路選択であったことも、後々皆さんの闘志を掻き立てた事象として、記憶に残ることと思います。 新しいスタートラインに立たれる皆さんを受け入れる側の事情は、それぞれ異なると思いますが、私自身の経験から致しますと、できるだけ早く能力を発揮してほしいと思いつつ、今すぐの即戦力というよりは、複雑化する変化への適応を着実にリードしてくれるグローバルに通用するパワフルなリーダーとして、長期にわたり、活躍していただくことを期待しています。大志を抱き、思い込みや先入観念のない純真な初心は貴重で大切です。現実とのギャップの中で、色褪せさせず、ことに当たっては、失敗を恐れず、逃げず、怯まず、常に前向きに使命を遂行されますことを祈念しております。 本日は大変貴重なお時間をいただいたわけですので、何か一つでも心に残せるものが話せたらと考えたのですが、結局は、電電公社、NTTでの勤務を通して、社会からの要請に応え、社会に提案する未来志向のビジョンや構想の実現に関わり、考え行動したことをお話しさせていただき、皆さんのご参考にしていただければと思います。 私は、1967年(昭和42年)に工学部電子工学科を卒業後、公共企業体3公社の一つで、電報電話サービスなど電気通信事業を独占的に担っていた電電公社に入社しましたが、入社後公社を取り巻く環境は激変していきました。 そして1985年(昭和60年)、電気通信事業の分野にも新規参入の道が開かれ、複数の事業者による競争市場となり、電話機や回線利用制度も自由化されました。当面、電電公社は、株式を政府が100%保有する民営会社「日本電上野 至大西日本電信電話株式会社 相談役平成二十一年度 学位記授与式 来賓祝辞 (要旨)うえの みちとも(昭和42年 工学部卒)

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