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15Kyushu University Campus Magazine_2010.5 今年大学院を修了された卒業生の皆さん、今日ここで皆さんに祝辞を述べる機会を与えていただいたことを大変光栄に思います。九大のような素晴らしい大学から修士や博士を取得されたことを心よりお喜び申し上げます。 皆さんもご存じのように、卒業式は英語で”Commencement(開始)“と言います。それはまさに学校の勉強が一段落して、新たな人生が”始まる“ということを意味しているのです。 本日伺ったところによると、ここにおられる70%近くの方は会社や役所に入られ、15%の方が研究や教育を続けられ、そして残りの方はどうするかをまだ決めておられないとのことです。皆さんはこれから未知の世界に入ることで興奮と不安で胸が一杯のことと思います。 今の日本を見ると、バブルがはじけてから20年、日本の経済は成長の沈滞した状態が続き、そして同時に、周りの国々からいろいろな分野でどんどん追われているのが現状です。70年代、80年代の日本は技術・品質管理だけではなくて、経営管理の面でさえ世界をリードしていました。ところが、この世紀に入ってから、日本のことはあまり話題にならなくなりました。その上に皮肉なことですが、ここ最近アメリカのマスコミが騒いでいるのはトヨタ自動車のリコールだけです。日本にもう一度世界の舞台で活躍してほしいと思っているのは、私一人だけではありません。本日ご参加の皆さんはもちろん、日本の全ての国民、そして日本を愛してきた多くの外国人も心から期待しています。 日本は美しい豊かな国です。すばらしいWorld Classの科学者、芸術家、技術者、そして経営者もたくさんいます。しかし、もっともっと多くのリーダーが必要です。エリートだけでは不十分です。それでは、リーダーとは何でしょう。私が考えているリーダーというのは、自分の知識をベースにしてよりよい社会に貢献することができる人です。組織を指揮して効率よく経済効果を生みだすのは典型的なリーダーですが、個人としても、科学者であろうが、ロバート・ファン米国シネックス社 代表取締役会長Robert Huang (昭和43年 工学部卒)平成二十一年度 学位記授与式 来賓祝辞 (要旨)

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