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17Kyushu University Campus Magazine_2010.5エアロゾルの気候変動への影響を予測する数値モデルを開発。聞き手 情報開発基盤研究開発センター 南里 豪志 准教授竹村 俊彦応用力学研究所 准教授たけむら としひこ気候に影響を及ぼすエアロゾルの正体南里 まず竹村先生の研究のキーワードである「エアロゾル」について説明していただけますか。竹村 大気中に浮かんでいる微粒子の総称で、日本語にすると、「大気浮遊粒子状物質」といいます。例えば、人間活動から出るものとして、ディーゼル車から排出される煤や四日市喘息の原因となった硫酸のミストなど。それらは液体や固体として空気中に浮かぶのです。南里 ゾルなので液体かと思いましたが、固体もあるのですね。竹村 煤は固体です。人為起源でなく、自然発生するものとして黄砂などがあります。南里 大きさにも幅があるのですね。竹村 気体から液体になる、あるいは小さいものが成長していくという現象が起こりますので、小さい物はnm(ナノメートル)、花粉であれば数十ミクロンで、五桁くらいの幅があります。ただし、雨や雲粒になると、エアロゾルとはいいません。南里 花粉も含まれるのですか。竹村 私は重度の花粉症なので、春先はエアロゾルに悩まされています(笑)。花粉症や四日市喘息と聞くと、微粒子「エアロゾル」が 大気を汚し気候を変える「ふろんとランナー」は、九州大学の研究の最前線をインタビューで紹介するシリーズです。シリーズ第20回目は、応用力学研究所の竹村俊彦准教授に、情報開発基盤研究開発センターの南里豪志准教授が聞きます。

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