http://www.kyushu-u.ac.jp-kyudaikoho_70
22/40

た研究で、を探す。21Kyushu University Campus Magazine_2010.7新しき挑戦者たち 山本 健太郎さん学部生時代の研究が、アメリカの科学雑誌に掲載。 2009年9月、アメリカの総合科学雑誌『PLoS ONE(プロスワン)』に九州大学の山本健太郎さんの論文が掲載されました。 対象となった論文のテーマは、幼児の随伴性検出。自分の動きに対して相手が返す反応を、幼児がどのように気付き行動するか、ロボットを使って研究したものです。教育学部3年から4年生にかけて行った研究を、修士課程に入って論文にまとめました。 学部時代の研究成果が、海外の雑誌に掲載されるのは稀なことで、他の学生の刺激にもなっています。教育学部に進学するが、科学的な研究に感興。 山本さんが、九州大学教育学部へ進学したのは、カウンセラーを志してのことでした。高校時代、人間関係の壁にぶつかり、友人と悩みを相談し合う中で、カウンセリングに興味を持つようになったと言います。 しかし、大学で学ぶカウンセリングは、想像と違っていました。「出しゃばらず、話を聞くのがカウンセリングの特徴なんです。その重要性は理解できたのですが、相手に積極的にアドバイスするものと思っていた僕には、ギャップが大きくて、これが本当に自分のやりたいことなのか考えるようになりました」 そんな時に出会ったのが、随伴性の研究でした。もともと理系志望だった山本さんには、研究の科学的なアプローチが、とても面白かったと言います。「計画を立てて、実験して、分析するという研究の手順は、理系の研究方法に近くて、自分はこんなことが好きだったんだなと気付いたんです」むしろ、逆の結果が出た時の方がおもしろい。 乳幼児の随伴性の研究では、これまで、乳幼児に反応を返す相手を、母親などの人に限っていました。山本さんはそれを、ひよこ型のぬいぐるみロボットで試みます。「実験前の仮説では、ロボットが幼児に反応して何かすると、赤ちゃんは興味を持って近寄っていくんじゃないかと思っていたんです。ところが、実験を始めるとお母さんの側を離れようとしない。見た目はかわいらしいロボットを怖がっていたんですよ」 山本さんは、それKentaro Yamamoto02九州大学で学び、目指す分野を極めようとする次世代のプロフェッショナルを紹介します。今回は、2009年9月にアメリカの総合科学雑誌「PLoSONE(プロスワン)」に論文が掲載され、将来を嘱望される若手研究者の登場です。た研究で、を探す。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です