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30Kyushu University Campus Magazine_2010.7Kyudai 工学研究院の上野照剛特任教授が、国際生体電磁気学会の最高賞である「ダルソンバール賞(d'Arsonval Award)」を受賞し、2010年6月15日(火)に韓国ソウルで開催された、国際生体電磁気学会第32回年次大会の授賞式で、ダルソンバールメダルと賞状を授与されました。国際生体電磁気学会は、1978年に米国で設立された電磁気の生体影響と医学応用について議論する最も権威ある国際学会であり、世界40カ国から研究者が集まっています。ダルソンバール賞は、磁気閃光や検流計などの先駆的研究を行った 本学薬学研究院長の井上和秀主幹教授が「日本薬理学会江橋節郎賞」を受賞し、第83回日本薬理学会年会開催中の3月17日に授賞式が執り行われました。 「江橋節郎賞」は、日本薬理学会名誉会員故江橋節郎先生の生命科学への世界的な貢献を末永く顕彰するため、平成19年に創設されたもので、独創的、飛躍的な業績をあげ、薬理学の進歩に大きく貢献した会員に授与されます。今回の井上教授の受賞は、第1回の真崎知生氏(NO研究、京都大学名誉教フランスの学者ダルソンバールにちなんで設立された賞で、これまで、11名の著名な研究者が受賞しており、上野教授は日本人として初の受賞となります。今回の受賞は、上野教授の長年にわたる局所的脳磁気刺激法、脳磁気計測法、電気的磁気共鳴イメージング法などによる脳磁気研究の新展開、並びに、磁気による水の二分や細胞の磁場配向を用いた新しい医療の可能性に関する創造的研究において功績が認められたもので、受賞式後の記念講演で、上野教授は電磁エネルギーによる脳治療の可能性の研究について講演しました。授、東京女子医科大学特任教授)、第2回の山中伸弥氏(iPS細胞、京都大学教授)に続いての受賞となりました。 井上教授はこれまで、主としてATP受容体の生理機能を中心とした薬理学研究を展開してきました。特に神経因性疼痛がグリア細胞に過剰発現したATP受容体の刺激により生じることを発見し、さらに進んでその発症機序を解明したことをはじめ、疼痛情報伝達におけるグリア細胞の役割の解明において、極めて顕著な業績を挙げ、これが今回の受賞理由となりました。 また、井上教授は5月28日に、スペイン国王から、これまでの研究業績やスペイン文化への多大な貢献に対し、「Royal Academy of Pharmacy」の称号とメダルを授与されました。授賞式には、駐スペイン大使・高橋文明氏も同席し、祝福してくださいました。 井上教授は「いずれも大変名誉なことです。九州大学という研究の場が与えられたことと、みんなの協力と努力があったればこその受賞です。その全てに感謝を申し上げます。」と述べました。上野照剛特任教授が、ダルソンバール賞を受賞!!江橋節郎賞受賞の井上和秀主幹教授がスペイン王立薬学アカデミー「Royal Academy of Pharmacy」の称号を授与スペイン王立アカデミーでの授賞式(右から6人目が井上主幹教授)国際生体電磁気学会Michael R. Murphy 会長よりダルソンバールメダルと賞状を授与

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