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13Kyushu University Campus Magazine_2010.9 九州大学大橋地区は、一九六八年の九州芸術工科大学創設以来、二〇〇三年の九州大学との統合を経て、副都心部に立地するキャンパスとしてその歴史を積み重ねています。当初から、コミュニケーション空間の構成を基本的論理とし、都市の諸施設と結びつく外部に開かれたキャンパスとして建設されました。九州大学における先端的デザイン拠点としての役割が強まるに従って、それにふさわしい次の百年にむけた持続可能なキャンパス計画を考える必要性が増してきました。 大橋フレームワーク検討会(二〇〇七年七月設置)は、安河内朗・芸術工学研究院長(当時。以下同じ)を委員長として、片野博・芸術工学図書館長、源田悦夫・感性融合創造デザインセンター長、森田昌嗣・大橋地区施設部会長、佐藤優・芸術工学研究院教授、石田壽一・芸術工学研究院教授(現・東北大学大学院教授)、新キャンパス計画推室二名、福岡市住宅都市局課長二名、福岡市南区企画振興課長、事務局施設部長、福岡市南区玉川校区自治協議会会長、塩原四丁目二区自治会長の合計十四名によって構成し、検討会に設置したコアチーム(チーム長:石田壽一教授、委員:坂井猛教授、鶴崎直樹准教授、小島敏行施設部長、加納博義施設部長)が調査と原案の作成にあたりました。調査と原案作成にあたっては、大橋地区事務部、施設部が協力し、㈱ジーエータップ(定村俊満代表)がコンサルタントとして参画しました。 大橋キャンパスは、先端的デザインの生まれる場、新たな文化、芸術の育まれる場、デザインと都市・社会とのインターフェイスとなる場、デザイン文化の創世、発展、伝承の場、デザイン文化の故郷となることが期待されています。『デザインと文化・芸術の産土(うぶすな)』をコンセプトとして、七つの方針を設定しています。 福岡市南区大橋に位置する大橋地区は、西鉄大牟田線や西鉄バス等の公共交通によるアクセスが容易であり、南西側に西鉄大橋駅と商業地を中心とする福岡市副都心核形成ゾーンが位置し、隣接地には中低層の住宅が立地しています。福岡市南区マスタープランとの整合をはかり、キャンパス周辺の地域特性との連携を図るため、(1)先端的デザインの発展に寄与する知財を集積し活用するウエスト・ゾーン、(2)専門の研究教育を行うイースト・ゾーン、(3)社会に向けた大学の顔として社会連携を行うメインエントランス・ゾーンの三ゾーンによって構成します。大学運営や社会環境の変化に柔軟に対応するため、固定した空間像とせず、ひとまとまりの閉じたオープンスペースを連続させるフレキシブルな空間構成とします。敷地四カ所で周辺市街地と繋がるゲート広場を設け、南西から北東に向かう中心軸と直行するサブの軸線を歩行者ルートと外周道路と繋がる循環ルートを設定し、一般道路と連携した安全で豊かな街路空間をつくりだします。さらに、敷地の南西から北東に向かって緑化度を高めるなど、環境に配慮するキャンパスを目指します。デザインと文化・芸術の産土をつくる 九州大学大橋地区フレームワーク・プラン 二〇一〇年二月十九日開催の部局長会議において、病院地区と大橋地区のキャンパス・ フレームワーク・プラン二件が了承されました。 前回の病院地区に続き、大橋地区フレームワーク・プランについてご紹介します。大橋地区フレームワーク検討会委員長芸術工学研究院 教授 安河内 朗新キャンパス計画推進室 教授・副室長 坂井 猛大橋地区フレームワーク検討会デザインと文化・芸術の産土キャンパスのフレームワーク■大橋地区■九州大学の構造うぶすな

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